8日の中国本土市場概況:上海総合0.3%高で反発、不動産セクターに買い

2019年10月8日 16:51

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記事提供元:フィスコ


*16:51JST 8日の中国本土市場概況:上海総合0.3%高で反発、不動産セクターに買い
国慶節連休明け8日の中国本土市場は値上がり。主要指標の上海総合指数は、前営業日比8.38ポイント(0.29%)高の2913.57ポイントと反発した。上海A株指数も上昇し、8.83ポイント(0.29%)高の3052.19ポイントで取引を終えた。

景気テコ入れ期待が改めて強まる流れ。足元では、景気鈍化を示唆する経済統計が相次ぐ状況だ。元安の一服もプラス。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元の対米ドル基準値を前営業日比で元高方向に設定した。上海外国為替市場でも、元高が進んでいる。

業種別では、不動産が高い。大手の保利地産(600048/SH)が5.7%上昇した。金利の低下期待が追い風。新たな指標金利「ローンプライムレート(LPR)」(毎月20日に発表)について、今月以降も引き下がるとの見方が流れた。このほか食品・飲料株、金融株、医薬品株、インフラ関連株、素材株、農業関連株なども上げが目立っている。

ただ、上値は限定的。閣僚級の米中通商協議の開催を10日に控え(11日までの2日間を予定)、結果を見極めたいとするムードも広がっている。貿易協議を巡っては、楽観と悲観が交錯。米メディアが7日、中国商務部の発言として、「中国は米国と合意する用意がある」と伝えるたことはプラスだ。半面、トランプ米大統領が同日、「香港デモに対する中国の対応は、貿易協議に影響を及ぼす」と述べたことなどはマイナスとなる。

また、米商務省は、「中国は新疆ウイグル自治区で少数民族を弾圧している」と指摘。セキュリティ機器大手の杭州海康威視数字技術(ハンジョウ・ハイクビジョン・デジタル・テクノロジー:002415/SZ)など合計28の企業・団体に事実上の禁輸措置を導入する方針を公表した。米中対立の激化も警戒されている。本日のマーケットでは、ハイクビジョン株などが取引を一時停止した。

これを嫌気し、ハイテク株は安い。指紋認証ICなどの深セン市匯頂科技(603160/SH)が6.2%下落した。運輸株、自動車株、石油株の一角も売られている。

外貨建てB株は値下がり。上海B株指数が1.03ポイント(0.38%)安の269.64ポイント、深センB株指数が3.83ポイント(0.41%)安の938.69ポイントで終了した。

【亜州IR】《FA》

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