エスプールは上値試す、19年11月期大幅増収増益予想、さらに上振れの可能性

2019年8月1日 07:13

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 エスプール<2471>(東1)は、ロジスティクスアウトソーシング、障がい者雇用支援・就労移行支援サービス、コールセンター業務などの人材サービス事業を展開している。19年11月期大幅増収増益・増配予想である。そして上振れの可能性が高いだろう。なお7月26日付で東証2部から東証1部に市場変更した。株価は高値圏で波乱の展開となったが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■ロジスティクス、障がい者雇用支援、コールセンターなど人材サービス事業

 ビジネスソリューション事業(障がい者雇用支援サービス、ロジスティクスアウトソーシングサービス、セールスサポートサービス、新規事業)、および人材ソリューション事業(コールセンター向け派遣、販売・営業スタッフ派遣、ストアスタッフ派遣など)を展開している。

 18年11月期の売上構成比はビジネスソリューション事業が30%、人材ソリューション事業が70%、営業利益構成比(連結調整前)はビジネスソリューション事業が47%、人材ソリューション事業が53%だった。

 障がい者雇用支援サービス「わーくはぴねす農園」は18年11月期末時点で13農園を展開し、利用企業数186社、管理区画数2039区画、就業数1020名となった。19年4月には千葉県千葉市、19年5月には愛知県春日井市、埼玉県さいたま市に開設を発表して全国16農園となった。

■営業利益率10%目標

 中期経営計画の目標値は20年11月期までに営業利益率10%達成としている。配当の基本方針は連結ベースでの株主資本配当率(DOE)5%を目安としている。営業利益の季節特性として、障がい者雇用支援サービスの売上が伸びる第2四半期、および第4四半期の構成比が高い傾向がある。

■19年11月期大幅増収増益・増配予想、さらに上振れの可能性

 19年11月期連結業績予想は、売上高が18年11月期比15.3%増の170億66百万円、営業利益が28.1%増の12億60百万円、経常利益が23.9%増の12億48百万円、純利益が31.0%増の8億11百万円としている。大幅増収増益で過去最高を連続更新予想だ。配当予想は5円増配の年間10円(期末一括、普通配当7円+創立20周年記念配当3円)としている。予想配当性向は19.4%となる。

 ビジネスソリューション事業は、売上高が6.5%増の47億74百万円(障がい者雇用支援サービス27%増収、ロジスティクスアウトソーシングサービス29%減収、採用支援サービス48%増収)で、営業利益が33.8%増の11億70百万円の計画である。ロジスティクスアウトソーシングサービスでは、配送費値上げに対応して配送費を立替方式に変更(売上減への影響約5億円)するが、粗利額に影響は無く、収益改善に向けて自社営業を強化し、品川センターの早期満床を目指す。

 人材ソリューション事業は、売上高が19.4%増の124億円(コールセンター業務22.8%増収、店頭販売支援19.6%増収)で、営業利益が17.4%増の11億79百万円の計画である。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比20.8%増の82億96百万円、営業利益が64.8%増の7億63百万円、経常利益が66.2%増の7億78百万円、純利益が63.8%増の4億96百万円だった。障がい者雇用支援サービスが牽引して計画超の大幅増収増益だった。

 ビジネスソリューション事業は、売上高が18.5%増の24億25百万円、営業利益が67.1%増の6億73百万円だった。障がい者雇用支援サービス(44%増収)において、農園の早期開設(千葉市、さいたま市、春日井市)が進み、利益率の高い区画販売が計画(292区画)を上回る430区画となった。合計の管理区画数は2469区画となった。採用支援サービス(49%増収)は取引社数が順調に増加し、売上拡大と生産性向上で損益分岐点を越えた。ロジスティクスアウトソーシングサービス(12%減収)は、センター集約や低収益案件の入れ替えなどの収益改善策が進展して黒字化した。

 人材ソリューション事業は、売上高が20.9%増の58億89百万円、営業利益が22.3%増の5億91百万円だった。コールセンター業務(24%増収)や店頭販売支援業務(19%増収)を中心にグループ型派遣が伸長し、支店運営やスタッフ採用業務の効率化も寄与した。

 通期予想は据え置いたが、第2四半期累計の営業利益進捗率は60.6%と順調である。また障がい者雇用支援サービスでは下期に農園開設2カ所(千葉県八千代市、千葉県または愛知県)を計画し、通期区画販売計画は880区画(期初計画は800区画)に上方修正した。通期業績予想も上振れの可能性が高く、高付加価値サービスが牽引して収益拡大基調に変化はないだろう。

■株価は上値試す

 株価(19年7月26日付で東証2部から東証1部に市場変更)は高値圏で波乱の展開となったが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。7月31日の終値は2623円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS51円43銭で算出)は約51倍、今期予想配当利回り(会社予想年間10円で算出)は約0.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS128円27銭で算出)は約20倍、時価総額は約414億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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