上値の重さが意識されやすい相場展開か/東京株オープニングコメント

2019年7月22日 08:51

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記事提供元:フィスコ


*08:51JST 上値の重さが意識されやすい相場展開か
 22日の日本株市場は、上値の重さが意識される相場展開になりそうだ。マイクロソフトの決算が好感されたほか、ボーイングは4%を超える上昇となったものの、米中協議を見極めたいとの思惑やイラン情勢を巡る地政学リスクへの懸念から下げに転じている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比115円安の21265円となり、売り先行からのスタートになりそうだ。円相場は1ドル107円70銭台で推移している。

 米中高官が電話協議を実施したことが伝わり、米中協議進展への思惑が高まりやすいだろうが、イラン情勢に伴う地政学リスクへの高まりはリスク回避姿勢に向かわせやすく、より商いは膨らみづらい需給状況になりそうだ。米中決算が本格化することも様子見姿勢が強まる一因であり、不安定な相場展開が続きそうである。

 先週の日経平均は、週後半値動きの荒い相場展開となった。400円を超える下落の翌日に下落部分を一気に吸収する展開である。ただし、下落局面において売買代金は辛うじて2兆円を超えた程度であり、自律反発局面では2兆円を下回る薄商いであり、短期的なシステム売買による影響と考えられる。出来高を伴ってのトレンド形成ではないため、先週末の切り返しに対しても楽観的とはなりづらいところである。

 また、日経平均は週末にリバウンドを見せたとはいえ、これまで支持線として意識されていた25日線や75日線をいったん割り込んだことにより、今後は上値抵抗線として意識されやすい。シカゴ先物にサヤ寄せする格好となることにより、より上値抵抗意識が強まりやすいところである。

 一方で、想定されていたことであるが、参院選の投開票が行われ、与党の自民、公明両党は改選過半数の63議席を上回った。自民が参院選公約に示した10月の消費税率10%への引き上げも信任を得たことで、キャッシュレス関連などへの物色が再燃する可能性がありそうだ。

 その他、日米決算が本格化する。先週の安川電<6506>は結果的には決算でアク抜けといった流れを見せてきていることもあり、今週予定されている信越化<4063>、日本電産<6594>、アドバンテスト<6857>、東エレク<8035>なども、同様の動きをみせてくるかが注目されそうである。《AK》

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