三井金属、中期経営計画で経常利益370億円を目指す

2019年7月21日 09:58

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 三井金属鉱業は11日、四輪向けガソリンエンジン用GPF触媒を開発し、2022年の量産開始に向け設備立ち上げ準備を開始すると発表した。

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 これまでも二輪、四輪向け排ガス触媒を開発・製造販売していたが、今回、四輪向けガソリンエンジンから排出されるカーボン系パーティクルを捕集する性能に優れたGPF触媒を開発し、2022年から量産車に採用されることになった。

 三井金属は1874年、三井組が神岡鉱山を買収したことに始まり、1911年三井鉱山株式会社となり、1952年三井金属鉱業株式会社となった。1980年代に急激な円高による地金価格の下落、神岡鉱山の亜鉛精錬を原因とするイタイイタイ病に対する補償などで業績不振が長く続いたが、1993年以降精錬にとらわれない事業転換などにより業績回復を果たした。

 2019年3月期の売上高は4,977億円。構成比は、電池材料、触媒、銅箔、薄膜材料、セラミックスなどエレクトロニクス製品を支える機能材料事業が29%、金属、資源など産業の基盤素材となる金属事業が30%、自動車用ドアロックなど高品質な機能部品を提供する自動車部品事業で18%、土壌改良、断熱用のバーライト、各種産業プラント用のエンジニアリング、検査装置など非鉄金属で培った独自技術を生かした関連事業で23%と、多様な事業を展開する三井金属の動きを見ていこう。

■前期(2019年3月期)実績と今期見通し

 前期売上高は4,977億円(前年比4%減)、営業利益は182億円(同63%減)、経常利益は前年よりも65億円増の178億円(同59%増)であった。

 営業利益大幅悪化の中で経常利益が増加した主な要因としては、前年に営業外損益でカセロネス銅山の減損346億円計上した反動によりその他事業で349億円の大幅増益となったため。一方機能材料事業が在庫・価格下落、コスト増、売上減などで140億円、金属事業が在庫・価格下落で116億円、自動車部品事業が価格下落・コスト増で8億円、関連事業が価格下落・コスト増で20億円、前年よりも減益となった。

 今期は売上高5,000億円(同0%増)、在庫・価格下落要因が改善することで営業利益260億円(同43%増)、経常利益260億円(同46%増)を見込んでいる。

■中期経営計画(2020年3月期~22年3月期)で経常利益370億円を目指す

 機能材料、金属、自動車部品の3事業を核に成長商品、事業を継続的に創出し、価値を拡大し続けることにより、2022年3月期経常利益370億円(対前期比108%増)を目指して次の戦略を推進する。

 1.機能材料事業: 外部機関との協働による成長商品創出
 ・5Gを活用したサービス業、製品の普及に対応して、機能性粉体、銅箔、セラミックスの強化。
 ・排ガス規制の高まりの中、二輪触媒のトップシェア維持と四輪触媒の拡大。
 ・次世代製品の進捗に向け、全固体電池向け固体電解質と次世代の微細回路形成材料開発。

 2.金属事業: リサイクル精錬の深化と安定操業による収益確保
 ・亜鉛価格下落傾向の中、鉛系リサイクル原料の増処理と副産物の生産量増加。
 ・カセロネス銅鉱山の操業安定化と生産改善の推進。

 3.自動車部品事業: 戦略的大型受注とコスト競争力の強化
 ・モビリティの電動化、自動化に応じた製品開発と営業/開発一体活動により戦略的大型受注の確保。
 ・ICTによる生産改善強化などでのコスト競争力の強化。

 「マテリアルの知恵を生かす」をスローガンに、成長事業の創出を目指す三井金属の動きに注目したい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る

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