Pウォーター Research Memo(5):2020年3月期通期は損益分岐を超え、収益性が一気に高まるフェーズへ

2019年7月16日 15:15

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記事提供元:フィスコ


*15:15JST Pウォーター Research Memo(5):2020年3月期通期は損益分岐を超え、収益性が一気に高まるフェーズへ
■業績動向

3. 2020年3月期通期の業績見込み
プレミアムウォーターホールディングス<2588>の2020年3月期通期の連結業績は、売上高で前期比14.0%増の43,000百万円、営業利益は同67.8%増の1,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同13.6%増の600百万円と、売上高を安定成長させるとともに、営業利益を大幅に増加させる計画だ。

売上高の成長率が14.0%予想と前期(前期実績は36.1%)と比較するとやや低下するように見えるが、2018年1月に、物流費の高騰に起因した製品の価格改定を行い(新規申込は2017年11月から)、それが前期の売上高に寄与していたためで、保有契約件数の増加と共に順調な成長を見込む。同社の事業特性から、新規顧客の獲得ペースを下げると獲得コストがかからないため収益は向上する。今期は売上成長から収益拡大に目標をシフトしていくため、巡行速度を維持して顧客獲得を行う。

利益面では、収益性がさらに高まる年となる予想だ。売上高営業利益率では2.8%(前期は1.9%)になる。同社のビジネスモデルは、保有顧客数が積み上がり、そこからの継続的な収益が営業活動に伴う費用を上回ると急激に利益が増加するというものだ。前期に損益分岐点を超えたため、収益性が一気に高まるフェーズに入った。KPIに関しても高度なコントロールが行われているため、予想のぶれは少ないと考えられる。収益性に影響する解約率に関しては、現状1.4~1.5%に抑制できており、営業活動からアフターサービスまでの全プロセスの品質がさらに向上すれば、一段の解約率低下も期待できる。物流費の更なる値上がりのリスクはあるが、地産地消化やスケール拡大による輸送稼働率の向上などで対策も立てられており、外部環境に影響されにくい体質になっていると言えるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)《ST》

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