【どう見るこの相場】米中摩擦も米朝首脳会談も参議院選挙も圏外のテレワーク関連株がプレイベント効果で浮上開始余地

2019年7月1日 09:06

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 米国のトランプ大統領と中国の習近平国家主席のガチンコ首脳会談を前に米中メディアの空中戦があって、株価が上に下へと振らされ一喜一憂した。その20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)での米中首脳会談は、報道内容では香港メディアに軍配が上がったようで、米中貿易協議再開・継続で合意し、第4弾の追加制裁関税は見送り、ファーウェイ(華為技術)に対する一部輸出も容認された。となれば、米中協議後に最も早くオープンする週明けの東京市場では、6月27日に日経平均株価が251円高したように、中国関連株や半導体関連のハイテク株への買いからスタートしそうだ。

 ただこう書いてきて、ふと疑問が浮かぶ。週明けのマーケットで果たしてこのG20大阪サミットや米中首脳会談は、株価材料となるのかである。というのも、そのあとの6月30日に突然、トランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長の軍事境界線での首脳会談が実現したからだ。テレビも新聞も、ヘッドラインはこのトランプ大統領のスタンドプレーに持ち切りとなり、G20大阪サミットも米中首脳会談も霞んでしまった印象が強過ぎるからで、米中合意のインパクトは、何割か割り引かれるもしれないのである。とにかくトランプ大統領は、触ったものがすべて黄金に変わるギリシャ神話のミーダス王のようで、ツイッターでツイートするたびに物議を醸しエスカレート、これは中国、イラン、ロシアはもちろん、同盟国の日本、豪州にまで及ぶだけに、もう大統領選挙のキャンペーンがスタートしているなか、何が飛び出してくるのか安心できない。中国関連株やハイテク株を買い上がっても、上値はそれなりに鈍くなってくる展開も想定範囲内となる。

 わが安倍晋三首相も、初のG20議長の大任を終えた印象がやや薄れたものの、気を取り直して7月20日投開票の参議院選挙に向けた選挙活動を本格化、外交から内政に軸足を移す。マーケットでは、3回目の消費税増税延期を争点に衆議院を解散し衆参同時選挙に打って出るとの憶測も渦巻いたが、通常国会は会期延長もなく閉会し、参議院選挙を経て10月1日の消費税増税を迎える。選挙期間中は、大手メディアの選挙情勢分析に従って株価の上げ下げはあるものの、株価激変材料が突出することはないというのがこれまでのアノマリーである。7月相場は、総体としてやはり上値も下値も限定的で、商い面でも手控えムードが続くと覚悟した方が無難なようだ。

 しかしそうした7月相場で、局地戦的に動意付く銘柄があるとしたら、米中の貿易摩擦や中東、北朝鮮の地政学リスク、さらに参議院選挙の国内政局の動向から遠くに位置し、少額資金で動く中小型株や独自材料を内包する銘柄が中心となるはずだ。そこで今週の当コラムでは、安全を期してこの候補株としてテレワーク関連株に照準を合わせてみた。情報通信技術を活用して在宅勤務やモバイルワーク、サテライトオフィス勤務などを可能にするテレワークは、勤務時間の短縮、都心の交通混雑緩和や人手不足、女性の社会進出を推進するばかりではなく、企業の業務効率化、生産性の向上にも大きく寄与し今年4月1日に施行された働き方改革関連法が目指す柔軟な働き方を実現する有力なツールとなる。このテレワークは、きょう1日の午後3時からは、総務省などが計画している「テレワーク・デイズ2019」のプレイベントの開催が予定されており、国民的運動として盛り上がり、株価認知度も高まると予想されるためだ。

 この「テレワーク・デイズ」は、2017年、2018年と開催され、今回の3回目は、来年7月24日の東京オリンピックの1年前の本番テストとして実施されるもので、参加団体、実施者数は1回目のそれぞれ950団体、約6万3000人、2回目の同1682団体、延べ30万人が、同3000団体、延べ60万人を予定している。第2回の実施では、東京23区への通勤者は延べ40万人、オフィスフロアの消費電力は平均7.1%、残業時間も約45%それぞれ削減された効果が試算されており、さらに規模を拡大する今回は、働き方改革定着への大きなステップになることが予想される。「テレワーク・デイズ」関連株は、テレワークで生産性の改革効果を享受する導入企業と、導入をサポートする企業との分かれるが、導入企業は大手企業中心となっており、導入をサポートする関連株への株価効果が大きくなる見込みである。

■リアル株は業績修正のTKPの株価動向次第でオフィス関連株に買いの目

 テレワーク導入を支援する関連株は、リアル株とバーチャル(ICT=情報通信技術)株とに分けるのが一般的である。このリアル株のシンボル株の一つになりそうなのが、ティーケーピー<TKP、3479>(東マ)である。というのも、同社株は、前週6月26日に今2020年2月期業績を修正、売り上げと営業利益は上方修正したものの、経常利益と純利益は下方修正し、株価は、5180円から4730円安値に450円安の急落を演じ、週明け以降の株価動向が関連株の人気消長を左右するとみられるからだ。

 同社は、貸会議室運営ビジネスを主力事業としているが、今年4月に国内30都市にワークフロースペースを130拠点展開している日本リージャス(東京都新宿区)の株式を取得し子会社化し、この上乗せで売り上げ、営業利益は上ぶれたものの、経常利益と純利益は、M&Aに伴う一時的な金融費用発生の影響により下方修正した。この業績修正とともに、2022年2月期を最終年度とする新中期経営計画の概要を同時発表し、最終年度の営業利益は今期予想比75%増を目標として、中期計画の詳細は、今年7月16日に予定している今2月期第1四半期(2019年3月~5月期、1Q)決算発表時に公表するとした。この詳細説明で株価が、リバウンド転換するなら関連リアル株は買い、なお下値を確かめるようなら関連株は用なしとなる。

 買いの目が出てくるリアル株としては、TKPと同業のコワーキングスペース事業のスリープログループ<2375>(東2)、レンタルオフィスのソーシャルワイヤー<3929>(東マ)、オフィス空間のデザイン・工事事業のコスモスイニシア<8844>(JQS)のほか、オフィス家具のイトーキ<7972>(東1)、コクヨ<7984>東(1)オカムラ<7994>(東1)、内田洋行<8057>(東1)、間仕切りのコマニー<7945>(東1)、小松ウオール工業<7949>(東1)、タイムカードのアマノ<6436>(東1)、オフィスセキュリティのホーチキ<6745>(東1)も要マークとなる。

■バーチャル株はRPAHDをシンボル株にWeb会議株など幅広く関連

 一方、バーチャル(ICT)株のシンボルとなりそうなのが、RPAホールディングス<6572>(東1)である。同社株は、AI(人工知能)とロボット技術を融合させホワイトカラーのデスクワークを代行・自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を社名に冠するだけに、テレワークを技術面からサポートし、2018年3月の東証マザーズ市場への新規株式公開(IPO)以来、働き方改革人気を高めてきた。このIPOから2回の株式分割、今年3月の東証第1部への市場変更と好材料が続き、足元では6月25日に2回目の株式分割(1株を2株に分割)の権利を4945円で落とし、権利落ち安値2292円から落ち理論価格2472円の間で値固めを続けている。権利落ち埋めに再発進するようならテレワーク関連のバーチャル株全般への見直し買いを牽引しよう。

 認証システムのソリトンシステムズ<3040>(東1)、仮想デスクトップ・ソリューションのアセンテック<3565>(東マ)、Web会議のブイキューブ<3681>(東1)、スマホ端末管理サービスのオプティム<3694>(東1)、クラウド版セキュリティ製品のラック<3857>(JQS)、クラウドソーシングのクラウドワークス<3900>(東マ)、クラウドシステム導入支援のテラスカイ<3915>(東1)、ワークフローソフトのエイトレッド<3969>(東1)、RPAシステム開発のTDCソフト<4687>(東1)、RPAコンサルのベイカレント・コンサルティング<6532>(東1)、情報ネットワークソリューションの都築電気<8157>(東2)、RPAソフトのジャパンシステム<9758>(JQS)などが幅広く浮上してくることになりそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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