NYの視点:米5月雇用統計:ネガティブサプライズに警戒

2019年6月6日 07:36

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記事提供元:フィスコ


*07:36JST NYの視点:米5月雇用統計:ネガティブサプライズに警戒
米国労働省はワシントンで6月7日に最新5月の雇用統計を発表する。市場エコノミストは平均で失業率が3.6%とほぼ50年来の低水準を維持、非農業部門雇用者数は前月比18万人と、4月26.3万人から伸びが鈍化すると見ている。

先行指標の中でも労働省が発表する雇用統計と相関関係が最も強いとされている民間の雇用統計となるADP雇用統計の5月分は前月比+2.7万人と、予想外に10万人割れ9年ぶり低水準の伸びに落ち込んだ。雇用統計の結果でもネガティブサプライズに警戒される。万が一、10万人以下の伸び、または減少となった場合は、景気後退懸念や利下げ観測がさらに強まりドル売りに拍車をかける。

一方で、米国経済の7割を消費が占めるため注目されるISM非製造業雇用の雇用は58.1と昨年10月来の高水準となった。2年ぶりの最低を記録した4月53.7から上昇。活動の拡大と縮小の境目となる50は5年連続で上回った。

ISMのニーブス氏はほとんどの回答者が全般的にビジネス環境に楽観的だが、関税や雇用資源に関して懸念していると指摘している。

■5月雇用統計の先行指標

・ADP雇用統計:前月比+2.7万人(予想:+18.5万人、4月:+27.5万人)、
9年ぶり低水準

・ISM製造業雇用:雇用:53.7(4月52.4、6カ月平均56.8)

・ISM非製造業雇用:雇用:58.1(4月53.7、6カ月平均56.2)

・NY連銀製造業景況指数:
雇用(現状):4.7(4月11.9、6カ月平均9.9)
週平均就業時間:4.4(4月4.3、6カ月平均3.6)

6か月先
雇用:16.3(4月17.3、6カ月平均16.2)
週平均就業時間:0(4月11.2、6カ月平均8.2)

・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
雇用(現状):+18.2(4月+14.7、6カ月平均+14.3)
週平均就業時間:+10.9(4月+11.2、6か月平均+7.9)

6か月先
雇用:27.3(4月14.9、6か月平均26.5)
週平均就業時間:9.2(4月3.6、6か月平均9.4)


・消費者信頼感指数(%)

雇用現況(%)
十分:47.2(4月46.5)過去最高
不十分:39.9(43.7)
困難:0.9(13.3)、過去最低

6カ月後の予想
雇用
増加:19.2(16.7)
減少:12.5(13.2)
不変:68.3(70.1)

所得
増加:22.6(21.5)
減少:8.2(6.8)
不変:69.2(71.7)


・失業保険申請件数

件数 前週比 4週平均 継続受給者数

05/25/19| 215,000| 3,000| 216,750 | n/a
05/18/19| 212,000| 0| 220,500 | 1,657,000
05/11/19| 212,000| -16,000| 225,000 | 1,683,000
05/04/19| 228,000| -2,000| 220,250 | 1,664,000
04/27/19| 230,000| 0| 212,500 | 1,686,000
04/20/19| 230,000| 37,000| 206,000 | 1,671,000
04/13/19| 193,000| -4,000| 201,500 | 1,654,000
04/06/19| 197,000| -7,000| 207,250 | 1,654,000

■市場予想
失業率:3.6%(4月3.6%)
非農業部門雇用者数:前月比+18万人(4月+26.3万人)
民間部門雇用者数:前月比+17.2万人(3月+23.6万人)
平均時給:予想:前月比+0.3%、前年比+3.2%(4月+0.2%、+3.2%)《CS》

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