ドラッカーから見るマネージャーの役割と仕事は

2019年5月17日 17:26

小

中

大

印刷

 マネージャーには、その責任対象の組織の範囲によって、ゼネラルマネージャーを筆頭に様々な種類があるが、「マネジメント」で知られるピーター・ドラッカーによれば、その役割は「部分の和よりも大きな成果を上げること」と「直ちに必要とされるものと、遠い将来に必要とされるものを調和させること」の2つである。

【こちらも】企業におけるマネージャーとは? リーダーとの違いは

 またマネージャーには、幾つかの具体的な仕事があるが、これら全体のスキルをバランス良く身につけなければならない。

■マネージャーの役割(部分の和よりも大きな成果を上げること)

 ドラッカーは、マネージャーのイメージとしては、オーケストラの指揮者であるとしている。指揮者は、個々の楽器の特徴をうまく調和させてシンフォニーを奏でる。

 部分の和よりも大きな総和を得るためには、個々の強みを生かし、弱みを消すことが重要になる。組織の中で、人はトラブルを起こすが、人は弱みのためではなく、強みのためにこそ雇われているのである。マネージャーはそのことを理解し、人の強みを生かすための調整役にならなくてはいけない。

 ダニー・ボイル監督の映画「スティーブ・ジョブズ」では、オーケストラ指揮者の小澤征爾が、アップルの創業者のスティーブ・ジョブズに「メトロノームと指揮者は何が違うのか」と問われ、「音楽家は楽器を演奏するが、僕はオーケストラを演奏するのだ」と答えるシーンがある。マネージャーたるもの、組織全体のパフォーマンスを上げるために、なすべきことをなす必要がある。

■マネージャーの役割(直ちに必要とされるものと、遠い将来に必要とされるものを調和させること)

 組織の中で仕事をしていると、必ず「今日のために明日犠牲になるもの」と「明日のために今日犠牲になるもの」が出てくる。所謂ジレンマだ。どちらを立ててもどちらかが犠牲になり、場合によっては組織全体を危険に晒さす可能性がある。

 ドラッカーによれば、マネージャーはこの犠牲を最小化する責務がある。どちらの犠牲が組織にとってダメージが大きいか、どちらを優先させれば、より大きな成果を組織にもたらすかを冷静に計算する必要がある。そして犠牲になる方を直ちに何らかの形で補う方策を探さなくてはいけないとしている。

■マネージャーの仕事

 具体的なマネージャーの仕事は、マネージャーの種類や、その組織の規模・性格によって様々だが、ドラッカーによれば、全てのマネージャーに共通する具体的な仕事は「目標を設定する」「組織する」「動機付けとコミュニケーション」「評価する」「人材を開発する」の5つである。

 勿論、この5つのどれか1つができればマネージャーになれるわけではないのは、狭いところで糸結びができれば外科医になれるわけではないのと同じである。しかしながら、同時に、狭いところで糸結びができなければ外科医になれないのと同様に、この5つのどれかができなければ、優秀なマネージャーにはなれない。マネージャーは、常にこの5つのスキルを上げる努力を怠ってはいけない。

関連キーワードスティーブ・ジョブズ