自転車保険の加入率は56% 最多は兵庫 義務化地域で高く au損保調査

2019年4月11日 08:34

印刷

都道府県別の加入率(画像: au損害保険の発表資料より)

都道府県別の加入率(画像: au損害保険の発表資料より)[写真拡大]

 au損害保険(東京都港区、以下au損保)は10日、全国の20,811人を対象に自転車保険加入状況を調査した結果を発表、自転車保険の加入率は全国で56.0%となり、都道府県別では兵庫県の71.5%が最多となった。

【こちらも】自転車チェーン店あさひのEC戦略

 調査では 「あなた(家族も含む)は自転車の事故に備える保険(個人賠償責任保険等)に入っていますか」という問いに対し、「加入している」「おそらく加入している」という答えがどれくらいの割合だったかについて発表。全体では56.0%だったが、全国で初めて自転車保険加入を義務化した兵庫県が最多の71.5%という割合になった一方、全国最下位の島根県では34.4%となるなど地域によって大きなばらつきがみられた。

 地域によっては兵庫県のように自転車保険を義務化している所もあり、都道府県では兵庫県のほかに 埼玉県、滋賀県、京都府、大阪府、鹿児島県、市で義務化しているのは相模原市、金沢市、名古屋市がある。これらの自転車保険義務化地域では加入率は64.3%と比較的高い数値になっている一方で、非義務化地域では49.8%と両者の間に15ポイント近い差がみられた。

 自転車については、近年は単なる移動手段ではなく趣味として使う人も増えている。2018年度に自転車産業振興協会が行った調査によれば、「自転車を普段どのような目的で使っているか」の問い(複数回答)に対し「趣味・遊び」と答えた人が31.3%、「サイクリング」と答えた人が14.6%となりいずれも6年前の前回調査を上回った。また通勤で自転車を使うという人の割合も22.9%と同様に増えており、公私問わず自転車を使う人が増えている傾向にある。

 一方で自転車の事故も多く発生している。都内で自転車が関連した事故は2018年で交通事故全体の36.1%を占め、2016年の32.1%を4ポイント上回った。また事故を起こした場合、賠償責任が発生するケースもある。小学生の乗った自転車と歩行者が衝突し重傷を負わせた事故では、小学生の保護者に対し9,500万円の賠償を命じる判決が出て話題となった。

 このことを背景に自転車保険を販売する損害保険会社が登場。今回調査を発表したau損保が販売している自転車保険では、月額740円で家族全員を補償対象とし個人賠償責任額を2億円とする内容となっている。また自動車保険の特約として自転車保険を販売している会社もある。

 自転車の使用目的が多様化するとともに、万が一の事故の時に賠償を補償するニーズも高まっている。そうした背景のもと自転車保険の加入が浸透してきているものと考えられるだろう。(記事:藤原大佑 ・記事一覧を見る

関連記事