個別での短期的な物色を行いつつ、日経平均の200日線突破を待つ/東京株オープニングコメント

2019年4月9日 08:30

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記事提供元:フィスコ


*08:30JST 個別での短期的な物色を行いつつ、日経平均の200日線突破を待つ
 9日の日本株市場はこう着ながらも底堅さは意識されよう。週明け8日の米国市場では、NYダウが83ドル安だった。1-3月期決算発表や英国のEU離脱協議を見極めたいとの思惑から利益確定の売りが先行している。ただ、昨日の段階でグローベックスのNYダウ先物はマイナス圏で推移していたこともあり、織り込み済みであろう。一方で、テクノロジー株の上昇からS&P500、ナスダックのほか、半導体SOX指数はしっかりであり、下支え要因といったところであろう。シカゴ日経225先物清算値は大阪比20円高の21790円。円相場は1ドル111円40銭台とやや円高に振れて推移している。

 昨日の日経平均は200日線接近で利益確定の流れとなり、結果的には寄り付き高値、ほぼ安値引けといった格好となっている。25日線が支持線として意識されるほか、足元のもち合いレンジ(21000-21800円)上限での攻防となるため、下値の堅さは意識されやすい。もっとも、参加者は限られており、昨日の売買代金は3月19日以来の1.9兆円を下回っていることもあり、大きなトレンドは出難いところであろう。

 また、需給状況は改善傾向にあるとみられるが、米中通商協議や12日の英国のEU離脱協定案の行方を見極めたいところであり、足元では戻り高値水準でのこう着が続きやすいところであろう。国内要因としては、ファーストリテ<9983>や安川電機<6506>の決算内容のほか、これを受けた市場反応を見極めたいところである。

 一方で、個人主体の短期的な値幅取り狙いの資金が中心とみられるが、決算を手掛かりとした物色のほか、昨日はサンバイオ<4592>が後場急伸してストップ高を付けるなど、材料に敏感に反応する地合いでもある。目先的には出来高が膨らみづらい中で、決算など個別の材料を手掛かりとした短期的な値幅取り狙いの売買が中心になりそうである。また、大型10連休まであと3週間を切ってきており、逆日歩など需給妙味を手掛かりとした物色も活発化してこよう。個別での短期的な物色を行いつつ、日経平均の200日線突破を待ちたいところである。《AK》

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