コーヒーが及ぼす心理的作用とは トロント大学がプライミング効果を研究

2019年4月4日 09:18

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●コーヒーの心理的効果に注目した研究

 オーストラリアのモナッシュ大学とカナダのトロント大学は、コーヒーが心理面に及ぼす効果についての研究を科学誌『Consciousness and Cognition』に発表した。

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 世界で最も人気のある飲料であるコーヒーは、肉体面に及ぼすさまざまな効果についてはすでに過去の研究で明らかになってきた。今回は、コーヒーの心理的効果に焦点を絞った研究となった。

●コーヒーによる「プライミング効果」を分析

 研究では、コーヒーによる刺激が思考や態度にどのような影響を与えるかがテーマとなった。具体的にはコーヒーによって、なんらかの思考を誘発するような「プライミング効果」が、どのくらいの範囲に及ぶのかが分析された。プライミング効果とは、ある先行する事柄が、後の処理や判断に影響を与える心理的な作用のことを言う。

 実験では西洋と東洋の文化の中で育ったそれぞれの参加者に対し、コーヒーやお茶に関連する事象からどのような反応が精神面に発生するのか、4つの実験が実施された。

 その結果、コーヒーに関連する刺激にさらされると、時間をより短く感じ、さらに物事を正確に具体的に思考する傾向があることが明らかになったのである。またこの効果は、西洋文化の中で育った参加者により顕著であった。

●飲用しなくても刺激を与えるコーヒー

 トロント大学のサム・マグリオ教授は、コーヒーを飲用する際と同様の覚醒作用が、コーヒーを思い起こさせる何かによって生理的に生じることを実験で証明できたとしている。また飲用することなくコーヒーの刺激を受ける人は、より詳細にかつ正確に物事を観察できることも明らかになったことになる。

●西洋と東洋におけるコーヒーの位置づけの相違

 マグリオ教授はさらに、東洋の文化の中で育った参加者にはこの効果がそれほど強くなかった理由については、西洋社会のほうがコーヒーを飲用する歴史が長く文化として根付いているためではないかと推測している。

 また、研究チームではエネルギードリンクや赤ワインにもコーヒーと同様の反応があるのかを、新たなテーマとして進めるとしている。

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