欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米FOMC控え材料難で買い後退

2019年3月18日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米FOMC控え材料難で買い後退
18日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。ブレグジットは延期の公算でリスク要因の後退から円売りが継続しよう。ただ、材料難のなか、明日から開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)を見極めようと、積極的なドル買いは手控えられるだろう。

英国議会は前週、欧州連合(EU)離脱に関する政府提出案件で合意なき離脱を反対多数で否決したほか、3月29日の期日を延期する提案を賛成多数で可決した。メイ首相は20日までに合意案を修正のうえ議会に提出する方向だが、再度否決される公算で先行き不透明な状況に変わりはない。ただ、延期の場合はリスク要因の後退と市場に受け止められるため、円売り方向に振れやすくなる。実際、週明けのアジア市場では日本株や中国株が堅調地合いを維持し、円売り主導の展開となった。また、米株式先物も反転したことから、ドル・円は111円60銭台に押し上げられる場面もあった。

今晩の海外市場でも、株価が崩れなければ円売り基調の継続が見込まれる。ただ、ドル・円は節目の112円を上抜けるほどの値動きは想定しにくい。15日に発表された米国の経済指標は、鉱工業生産やNY連銀製造業景気指数など製造業関連が予想を下回った。最近のこうした低調な指標を手がかりに、連邦準備制度理事会(FRB)は今週開催のFOMCで今後の金融政策について慎重姿勢を示す見通しで、材料難のなか積極的なドル買いは手控えられよう。また、米中首脳会談が6月に延期されるとの報道もあり、両国の貿易交渉は長期化するとの思惑からやや円買いが見込まれ、ドル・円の重石となりそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・19:00 ユーロ圏・1月貿易収支(12月:+170億ユーロ)
・23:00 米・3月NAHB住宅市場指数(予想:63、2月:62)《FA》

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