欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米中協議期待もクロス円の軟化が下押し

2019年2月19日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米中協議期待もクロス円の軟化が下押し
19日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。米中通商協議の進展期待で警戒の円買いは後退する見通し。ただ、引き続きドル買い材料が乏しいなか、豪準備銀行のハト派寄りのスタンスが材料視され、クロス円がドル・円を下押しする可能性もあろう。

3連休明けの米国市場では、引き続き米中通商協議の行方が注目される。両国は交渉期限の3月1日を前に閣僚級協議を21-22日にワシントンで開催する方針で、摩擦解消への期待感から円買いは後退しそうだ。また、19時に発表されるドイツの2月ZEW景気期待指数は引き続き弱い内容が予想され、ユーロ圏経済の減速を嫌気したユーロ売りがドルを押し上げる見通し。ただ、足元では、米国の小売売上高など経済指標の悪化が目立つ。そうした状況を踏まえた米連邦準備制度理事会(FRB)当局者からの弱気な発言は目先の利上げ停止への思惑につながり、ドル買いを弱めそうだ。

19日のアジア市場では、豪準備銀行の2月理事会議事要旨が材料視された。それによると、「金利が最終的に上昇・低下するシナリオは以前よりも均衡」とし、「経済見通しについては著しい不確実性がみられる」と下振れへの懸念を示した。ロウ総裁はこの会合の翌日の講演で利下げの可能性にも言及したが、本日の議事要旨はそうした慎重なトーンを裏づけた。豪ドルの値動きはクロス円の売りにつながり、ドル・円の下押し要因となっている。一方、日銀の黒田総裁は国会答弁で一段の金融緩和の可能性に言及したが、アジア市場同様、海外市場でも影響は限定的となりそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・18:00 ユーロ圏・12月経常収支(11月:+203億ユーロ)
・18:30 英・10-12月ILO失業率(予想:4.0%、9-11月:4.0%)
・19:00 独・2月ZEW景気期待指数(予想:-13.6、1月:-15.0)
・22:50 メスター米クリーブランド連銀総裁講演(経済見通しと金融政策)
・24:00 米・2月NAHB住宅市場指数(予想:59、1月:58)《FA》

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