欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、英国リスクやや緩和も米中協議に難航懸念

2019年1月25日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、英国リスクやや緩和も米中協議に難航懸念
25日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想する。来週の英国議会におけるブレグジット合意案通過への期待でクロス円の上昇がドル・円を押し上げる見通し。ただ、閣僚レベルによる米中通商協議で摩擦解消への観測は弱まり、円売りは縮小しそうだ。

英国の与党・保守党と協力関係の北アイルランドの民主統一党(DUP)が、29日の議会採決でメイ首相が21日に提示したブレグジット合意代替案を支持する方向、と地元紙が報じた。それを受け、本日アジア市場ではリスク要因の後退による株買い・円売りでポンド・円を中心にクロス円が強含み、ドル・円を押し上げた。欧米株式先物は堅調地合いとなり、今晩の株高を期待した円売りが続く。

欧米市場でもブレグジット関連報道を消化し、クロス円主導の展開となりそうだ。また、前日開催された欧州中央銀行(ECB)理事会とドラギ総裁による記者会見も手がかり。ユーロ・ドルはポンド・ドルにけん引される可能性はあるが、ユーロ圏域内経済の成長見通しをめぐるリスクは下向きとされ、今後の金融政策がハト派寄りに傾く可能性からユーロは売られやすく、ある程度ドル・円の押し上げ要因となろう。

一方で、閣僚レベルによる来週の米中通商協議が難航するとの見方から、ドル・円は心理的節目の110円を前に引き続き上値の重い展開となろう。最近発表された米国の12月中古住宅販売件数や1月リッチモンド連銀製造業指数など低調な内容も想起され、29-30日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)を前に利上げ休止への観測からドル売りが出やすい。110円を目指す展開に変わりはないが、週末のドル売りも重しとなりそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・18:00 独・1月IFO企業景況感指数(予想:100.7、12月:101.0)
・18:00 欧州中央銀行(ECB)専門家予測調査
・18:30 英・12月銀行協会住宅ローン認可件数(予想:38800件、11月:39403件)
※米・12月耐久財受注速報値、12月新築住宅販売件数は発表延期《FA》

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