乃木坂の未来を照らす月と太陽の物語

2019年1月6日 08:05

印刷

 1月4日に発売された日経エンタテインメント誌に、乃木坂46齋藤飛鳥と堀未央奈の対談記事が掲載された。

【こちらも】乃木坂46 西野七瀬の『幸せな卒業』に見る乃木坂らしさ

 他のメディアを宣伝するわけではないが、個人仕事が充実してきている今だからこそ、乃木坂46というグループを改めて俯瞰し、「グループとして何かを成し遂げたい」という齋藤飛鳥の言葉の価値はすさまじく重い。

 グループとして、創生期は武道館を満員にしたいとか、東京ドームでライブをしたいとか、様々な具体的な夢があり、メンバーもファンもそれに向けてお互いに頑張ろうという目標にもなるものだが、それらの夢が実現してしまうと、その後のグループ活動はどうしても停滞するものであることは、先発グループアイドルのたどってきた道でもある。

 次世代エースと目され、「飛鳥時代」などとも言われている齋藤飛鳥が、そういう危機感を持ち、グループとしての将来を模索しようとする前向きな姿勢は、乃木坂がまだまだ上り坂であることを改めて感じさせてくれた。

 そして記者は、このセンター経験のある2人に加えて、もう1人、星野みなみという存在を改めて強調しておきたいと思う。

 星野みなみは、デビュー曲「ぐるぐるカーテン」では、生駒・生田とともにセンターをつとめ、「生生星」と呼ばれたエース候補である。

 まだ、齋藤飛鳥がアンダー常連だったころ、選抜常連として経験を積み、その無邪気で明るいムードは選抜における数少ない妹キャラとして人気を集めていた。ただ、その飾らない幼さからくる言動が、ともすればやる気がないと取られ、「反抗期」と言われてアンチのターゲットにされてしまう。

 その結果、2期生の堀未央奈と入れ替わるかのようにアンダーになり、その後選抜常連に復帰するも、センターやフロントへの壁を突破できない状態が続いている。

 かつて、妹組ながら、選抜常連とアンダー常連ということで月(齋藤飛鳥)と太陽(星野みなみ)となぞらえられたこともあったが、齋藤が躍進し、センターをつとめることになったあたりから、その存在感をやや弱めつつある(ように記者には見える)。

 しかし、記者の目には、この2人は2人そろって威力を発揮するニコイチの存在に見えるのだ。

 対照的な性格と成長曲線から、お互いの長所を引き出しあい、短所を消しあう名コンビというものがある。

 例えば、野生の勘の長嶋茂雄と求道者王貞治、王道を歩んだジャイアント馬場と挑戦につぐ挑戦を繰り返したアントニオ猪木、ザ・センターだった前田敦子と、ムードメーカーからファンに推された大島優子……。

 齋藤飛鳥と、星野みなみも、そんなコンビになるような気がしてならないのである。

 飛鳥は、リアルの学校では、その存在を消すかのように大人しく、1人でいるのが好きな暗い性格。その分、乃木坂という場所への愛着とメンバーへの愛情は人一倍大きい。いわば乃木坂のエキスの中で純粋培養されてきた存在。

 一方のみなみは、学校の行事になかなか参加できないと番組内で涙ぐんでしまうほど、学校生活にも充実感を感じていたリア充タイプ。アイドルとしての王道と、普通の女の子としての王道を歩いてきている2人が一緒にいることで、なんともいえない平和なオーラというか、暖かいムードが流れるのである。

 そんな2人に、バランスのいい社交的な堀が加わると、ヲタだけではなく、一般のファンにも居心地のよさを届けられるのではないかと思う。

 次世代乃木坂の看板を担う3人が牽引車となり、グループにどんな「何か」を成し遂げさせていくのか、ワクワクしながら見守りたい。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事