ナノ発電機による電気刺激で傷の治癒を早める絆創膏の研究 米国で

2018年12月28日 22:13

小

中

大

印刷

記事提供元:スラド

headless曰く、 米ウィスコンシン大学などの研究グループがナノ発電機(NG)による電気刺激で傷の治癒を早める絆創膏の研究成果を発表している(論文SlashGear)。

 電気刺激で傷の治癒が早まることは以前から知られているが、大掛かりな装置が必要になるため通院が必要だった。今回の研究ではPET製のバンドに銅とPTFE(テフロン)を貼り合わせたNGでラットの呼吸による筋肉の動きを1Hz程度の交流電力に変換し、金の電極を通じて傷の両側から印加している。

 その結果、NGの出力を接続しない対照群ではおよそ0.4cm×0.4cmの皮膚全層に達する傷が閉じるまでに12日かかったのに対し、NGを使用した場合には3日だったという。幹細胞による治療やナノ素材による創傷被覆材を用いた治療、レーザーによる治療では同様の傷が閉じるまで7日間を要するとのことで、NGを用いる手法では大幅に短縮可能となる。

 線維芽細胞の培養実験では、NGに接続した場合に線維芽細胞の生存可能性が高まり、電界に沿って筋線維芽細胞への分化が進むといった現象が確認されており、これらが傷の治癒を促進しているようだ。従来の電気刺激による傷の治療では振幅が大きく周波数の高い電気パルスが用いられているが、NGによる手法では安全性が高く、治療時の不快感も少なくなる。この手法が発展すれば、いずれは慢性疾患の効果的な治療法にもつながるとのことだ。

 スラドのコメントを読む | サイエンスセクション | 電力 | サイエンス | 医療

 関連ストーリー:
脊髄損傷による下半身不随患者に対し神経を刺激して歩行可能にするデバイス 2018年09月28日
紙製のプラズマ殺菌装置が開発される 2017年05月16日
前帯状皮質への電気刺激が困難を乗り越える意思を生み出す 2013年12月08日

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。