Jトラストは続落もV字回復業績がサポートして12月末の株主優待制度の権利取りが続く

2018年12月7日 09:34

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 Jトラスト<8508>(東2)は、前日6日に8円安の536円と3日続伸して引けた。日経平均株価が、417円安の2万1501円と3日続落し、10月30日以来、1カ月ぶりの安値をつけたことから、今年11月15日につけた年初来安値516円から底上げ途上にある同社株にも目先の利益を確定する売り物が出た。ただ下げ幅は限定的で、6月末と12月末を基準日に実施する株主優待制度の権利取りの買い物が下値に交錯した。またこの権利取りを今2019年3月期のV字回復予想がサポートし、下げ過ぎ訂正買いが上乗せとなっている。株式需給的にも、今年6月25日につけた年初来高値1006円の絶対高値期日が目前となっており、期日向かいの買い物も続いている。

■6月末、12月末を基準日に株主優待制度を実施し年間配当も12円を安定継続

 同社の株主優待制度は、同社株式300株以上を1年間保有する株主に2500ポイント分の楽天ポイントコードを贈呈する。年間配当も12円を安定継続しており、同社の株主向けの積極的な利益還元策を裏付けている。

 この株主厚遇策の背景となる今3月期通期業績は、営業収益833億7800万円(前期比9.3%増)、営業利益70億7300万円(同3.0倍)、純利益53億1800万円(前期は7億3100万円の赤字)とV字回復を予想している。今年11月13日に発表された今期第2四半期(2Q)累計業績は、今期から適用したIFRS(国際財務報告基準)第9号に伴い韓国及びモンゴル金融事業や東南アジア金融事業などでの貸倒引当金の繰入れが増加して赤字転落したが、下期は、東南アジア金融事業の債権管理部門と回収部門を融合して効率化を図り、不良債権の抑制と回収強化により貸倒引当金戻入益を計上することなどでV字回復を見込んでいる。また、今年9月26日付けでインドネシア当局から株式取得を承認されたオートローンの老舗であるPT OLYMPINDO MULTI FINANCE(JTO、Jトラストオリンピンド社)の業績は、今年10月の月次データに初めて計上されており、業績寄与が期待される。

 また総合エンターテイント事業でも、連結子会社のKey Holder<4712>(JQS)が、アミューズメント施設運営事業から撤退する一方、新規事業のカラーコンタクト事業やアイドルグループの「SKE48」事業を承継するなど積極的に取り組んでおり、展開力が強化される。

■25日線を固め期日向かいの買い物も加わってまず年初来高値調整幅の3分の1戻しへ

 株価は、今期2Q業績発表と米長期金利低下に伴う世界的な金融株安が重なって年初来安値516円へ調整、PER10倍台割れ、PBR0.3倍は売られ過ぎとして底上げ、それまで上値を抑えていた25日移動平均線を上抜きこの水準固めを続けている。年初来高値から6カ月目の完全高値期日を前に期日向かいの買い物も下値に続いており、まず年初来高値からの調整幅の3分の1戻し水準の680円を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治) (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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