月300円で神社を救え! 「すうけい」運営の神社崇敬会が神社支援の新サービス

2018年12月2日 20:33

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 最近ではその一部がパワースポットとして話題となり、特に若い女性の間で注目され、再認識されている神社。人と神社をICTでつないで崇敬会支援事業を行う神社崇敬会が、全国の神社を月300円から支援できるサービスを始めると発表した。サービス開始は12月12日から。

 神社崇敬会では、いわゆる神社のファンクラブ的存在の「崇敬会」を、インターネットを活用して容易に設立・運用できるプラットフォーム「すうけい」を提供し、入会促進も行っている。たが、「崇敬会」は実際には入る側のハードルが高く、神社側も事務的作業の負担が多いなどの支障が生じていたのが現状。そこで、一般人も入りやすく、神社が今まで行ってきた作業を同団体が代行し負担を減らすことを目的に、月々300円の月額会員制度を新設。

 新サービスは、各神社の崇敬会へ入会するのではなく、神社崇敬会(一般社団法人)の会員を募集するもので、神社崇敬会が特典の発送や神社との取次などを一貫して行う。集まった会費は、神社崇敬会に参加している神社への分配のほか、地震や豪雨など自然災害で被害を受けた神社への復興支援として充てられる。

 神社の収入源は、すぐに思いつくのが初詣などでのお賽銭だが、大きな神社は別として小さな神社ではその金額も知れている。収入源として最も大きいのは祈願料と言われており、厄払いや七五三、縁結びや商売繁盛といった個人あるいは団体が行う祈願で賄っているところが多い。また、村社や郷社では、氏子崇敬会費が多くなるようだ。

 しかし、神仏への崇敬の心が薄れてきている現代では、祈願する人自体が減っており、パワースポットブームで見直されてはいるものの、祈願料やお札・お守りの売り上げだけではなかなか経営が厳しいのが、昨今の神社の経営である。氏子崇敬会費も、都市部の氏子意識の薄れや農村部の過疎化による氏子の減少などの問題を抱えており、今後も厳しい状況が予測される。

 今回のような取り組みは、日本文化の継承にもつながり、300円という誰でもフォローできるという気軽さから、パワースポットブームや復興支援などをきっかけとして、神社を見直す人が増えることも期待される。

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