ドバイの世界一の高層ビル「ブルジュ・ハリファ」、輸入された砂で建設

2018年11月16日 09:05

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記事提供元:スラド

taraiok曰く、 砂なんてどこにでも大量にあると思うかもしれない。しかし、その砂が不足しつつあるという。砂はあらゆるものに使われている。コンクリートやガラス、スマートフォンやシリコンチップなどにも砂が使われている。砂漠には砂がたくさんあるが、砂漠の砂は建設材料として役に立たない。風に晒され続けているため、粒が丸くキメが細かすぎてコンクリートには使えないのだという。その結果、砂漠に囲まれたドバイの世界一の高層ビル「ブルジュ・ハリファ」は、オーストラリアから輸入された砂で建設されている(MediumSlashdot)。

 コンクリートの材料として理想的なのは、河床、海、または浜にある砂だ。しかし、こうした場所の砂は岩石が削られて生成されるため、利用可能になるには数千年が必要になる。世界は建設ブームが起きている。国連によると毎年400億トン以上の砂、砂利、砕石が消費されているという。その中心にいるのは大規模な都市化を進める中国だ。世界のコンクリート供給量の大半を消費するとされ、一部の見積もりによると来年までに500億トンを超えるという予測もある。中国と同様にインドもコンクリート材料の消費が急速に伸びている。

 砂の問題の1つは重量が重いことだ。遠距離輸送では燃料費が掛かることからコストが増大する。砂の高騰化の結果、砂を不法に浚渫する犯罪者グループが増えている。彼らは「砂のマフィア」と呼ばれ、抽出が禁止されている地域から、法律や環境を無視して砂を盗み出す。川は不法に採掘され、魚や漁師の生息地は破壊されているだけでなく、多くの殺人事件も起こっているという。特にインドの砂のマフィアは、賄賂が横行するためほとんど取り締まれていないという。

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