CA藤田氏「収穫の時を迎えたら、大きく成長できる基盤に」AbemaTVは19年度も拡大基調

2018年10月27日 00:24

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記事提供元:ログミーファイナンス

CA藤田氏「収穫の時を迎えたら、大きく成長できる基盤に」AbemaTVは19年度も拡大基調

CA藤田氏「収穫の時を迎えたら、大きく成長できる基盤に」AbemaTVは19年度も拡大基調[写真拡大]

1.FY2018 通期決算

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藤田晋氏:本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。今回は当社の通期決算でございますので、通期の結果を交えながらご説明させていただきます。

まず、全体の業績です。売上高が、過去最高を更新いたしまして4,195億円。営業利益が、業績予想で出していたとおりです。売上高もほぼそのとおりだったんですけれども、(営業利益は、約)300億円の着地で終わっております。

それぞれの(事業を)個別で見ていきますと、メディア事業に関しては、ここを当社の先行投資期と位置付けて、投資をしている部分であります。

「AbemaTV」に投資し、さらに売上も伸ばす。パンプアップという言葉をちょうど1年前の決算説明会で使わせていただいて、コストも増やすし売上も増やすというところだったんですけれども、そのとおりで着地した結果になっております。

インターネット広告事業に関しましては、相変わらず順調に拡大しています。

ゲーム事業につきましては、この市場全体は今そんなに伸びてないというか、市場規模はほぼ横ばいではないかと思われますが、当社にいたっては増収しているという結果になっております。

1.FY2018 通期決算 [連結売上高]

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通期のグラフで見ると(売上高は)このとおりになります。

2011年ぐらいからスマートフォンシフトにしてから、トップラインの伸びの拡大が相変わらず続いています。

1.FY2018 通期決算 [連結営業利益]

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一方で、この2期ほど先行投資ということで、「AbemaTV」に多額の資金を投入して立ち上げている最中ですので、300億円程度の全体の利益を出して、推移している結果になっております。

1.FY2018 通期決算 [連結役職員数][販売管理費]

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従業員数です。

今期は4,988人となっておりまして、5,000名に到達するのも時間の問題という従業員数。それにともなって、人件費および広告宣伝費を増やしながら、コストも増えている構成になっております。

1.FY2018 通期決算 [損益計算書]

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損益計算書で見ると、このような結果になっております。

時期的に今は最終利益が残りづらい状況で、後ほどご説明しますけれども、DOEという指標を用いて目標に置いております。

1.FY2018 通期決算 [貸借対照表]

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バランスシートは、こちらのとおりでございます。

終わった期の(2018年)2月19日に転換社債400億円を発行していますので、現預金は900億円を超えています。

2.FY2019 業績見通し①

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今期の業績見通しでございます。

売上高は4,700億円で、相変わらず2桁成長を続けていることと、引き続き営業利益に関しては300億円で、「AbemaTV」の投資を続ける期と位置づけさせていただきたいと思っております。

2.FY2019 業績見通し②

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先ほど申し上げましたとおり、営業利益(の予想)は300億円なんですけれども、当期純利益は子会社で利益を出しつつ、「AbemaTV」の赤字をフルに取り込んでいます。

2.FY2019 業績見通し③

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最終利益が残りづらい中で、もうすでに発表させてもらっていますが(経営指標として)2017年からDOEを5パーセント以上として、投資期においても安定的な配当性向を維持することで、短期的な収益の悪化……「悪化」ではないんですけれども、利益が出ていないことによって株価が大きく下がるのを下げたい思いから、DOEを5パーセントと設定させてもらってます。

DOEという指標は最終利益に対して設定しているものなので、自己株買いか、もしくは配当を増やすかで5パーセントを維持する考え方になるんですが、今回は配当を増やすことにより、5パーセントを維持している考え方をしております。

3.インターネット広告事業 [売上高(通期)][営業利益(通期)]

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それでは、それぞれの個別の事業についてご説明させていただきます。

まず「順調だ」と申し上げました、インターネット広告事業です。通期で見ますと、このように大きな成長が続いている状況にあります。

3.インターネット広告事業 [売上高(四半期)]

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四半期で見ると「この2四半期ほど、横ばいみたいなものじゃないか」と思われるかもしれないのですが、(2018年)5月にサイバー・バズというグループ会社が、連結から外れました。

外したことによりその分(の売上)がなくなった期ですので、4-6月は季節性もあり数字が伸びづらいところなんですが、全体としては普通の推移をしています。

3.インターネット広告事業 [営業利益(四半期)]

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営業利益の推移で言うと、こちらのかたちです。

とくに今は、ナショナルクライアントを取り込むための投資を、このセクター内でもけっこうやっておりますので、人件費が増えたことによって少し営業利益率が悪化しています。

3.インターネット広告事業 [強化分野]

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今、「投資をしている」と言いましたけれども。

基本的な投資の部分は、ちょうど取引先として増えている大手広告主、ナショナルクライアントを取り込むためのクリエイティブ強化。とくに、ネット広告のクリエイティブ部門の強化で新会社を設立したり、他社と合弁を作ったりしながら、たくさん手を打っている部分でございます。

4.ゲーム事業 [売上高(通期)][営業利益(通期)]

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続いて、ゲーム事業です。

通期で見ますと、売上成長は鈍化してはいますけれども、このセクターの中では増収を維持しているところは、底力があるんじゃないかと思います。

4.ゲーム事業 [売上高(四半期)]

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四半期のグラフで見ると、このような推移です。

見ていただきますとおり、今期少し伸びたとはいっても、ポートフォリオに関しては変わっていまして、この期中に立ち上げた『プリンセスコネクト!Re:Dive』のタイトルが売上に寄与しているというのがあるのと、この数字にはまだ3日分ぐらいしか入っていないんですが、(第4四半期末の2018年9月27日に)『ドラガリアロスト』をリリースしまして、これが新たにヒットしたことで、来期以降にまた成長が望める状況になりました。

4.ゲーム事業[営業利益(四半期)]

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営業利益に関しては、その四半期によってけっこう広告宣伝費を使っておりますので、アップダウンはあるんですけれども、このようなかたちになっております。

4.ゲーム事業 [新規タイトル]①

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『ドラガリアロスト』に関しては、任天堂との共同タイトルでもありますし、細かい情報はほとんど出せないんですけれども、当社のなかでいうと、過去一番のヒットになっております。

4.ゲーム事業 [新規タイトル]②

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リリースして(2018年10月25日時点で)ちょうど1ヶ月弱ですけれども、その推移を見る限り、過去一番であるというのは間違いないです。

『ドラガリアロスト』に関しては、世界各国で同時リリースしておりまして、これも比率は言えないんですけれども、海外でもかなり売れているという状況になっております。

4.ゲーム事業 [セールスランキング]

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『ドラガリアロスト』が新たにヒットしたことによって、当社のなかで現在抱えていて、「主力タイトル」と位置付けているものが、8本になったというかたちになります。

4.ゲーム事業 [今後の予定]①

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今後に関しては、もうすでにこの(2018年)冬に提供すると発表している『ウマ娘 プリティーダービー』は、アニメが大変好評なものですけれども、このCygamesのタイトルがリリース予定であるというところ。

4.ゲーム事業 [今後の予定]②

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それ以外には、東京ゲームショウの時に発表したもので、4本のオリジナルIPタイトルをグループ内でつくっておりまして、そういったタイトルをこの新しい期は順次出していく予定でございます。

5.メディア事業 [売上高(通期)][営業利益(通期)]

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続いて、メディア事業です。

前四半期もお話しさせていただきましたけれども、通期で見てもわかりますとおり、「Amebaブログ」をメインにしていた、少し業績が停滞していた時期から「AbemaTV」とマッチングアプリの成長によって、再びメディア事業も成長軌道に入ったと言えると思います。

5.メディア事業 [売上高(四半期)][営業利益(四半期)]

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これは(売上高と営業利益を)四半期で見たものですが、見ていただいてわかりますとおり、この直近の四半期もぐんと伸びているというかたちです。

5.メディア事業 [AbemaTV]①

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「AbemaTV」に関しては(2016年4月11日の開局から)3,400万ダウンロードを超えて、ほとんどプロモーションらしいプロモーションはやっていないんですけれども、順調に拡大を続けております。

5.メディア事業 [AbemaTV]②

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WAU・総視聴時間に関しても、きっちりと底固めをしながら伸びているというかたちで、足元も非常に調子がいいと思います。

5.メディア事業 [AbemaTV]③

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利用者の年齢は、当初から想定していたとおり、テレビ離れが進んでいる10代~30代の層を中心に取り込んでおりますので、「テレビはシニア層(の視聴者)が増えている」と言われるなか、逆の層を取り込んだメディアとして位置付けられるのではないかと思います。

当初は「女性比率が非常に少ない」と言っていましたけれども、きっちり半々になってきたと(いうことです)。これは、女性のほうが新しいメディアに対する動きが遅いというのもありますし、恋愛リアリティショーが非常に当たって、そこが寄与しているという部分もございます。

5.メディア事業 [AbemaTV]④

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これは年に1回しか出さないグラフなので、「次の四半期で出せ!」と言うのはやめてほしいんですけれども、去年(2017年度)に比べて、今年(2018年度)は売上高が3倍に伸びております。

また勢いがついておりますので、2019年度はさらなる拡大が望めると思いますけれども、WAUとかユーザーが増えて、規模を拡大させるということを今後も繰り返していくという状況になっております。

5.メディア事業 [AbemaTV]⑤

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一昨日(2018年10月23日)発表いたしましたけれども、電通と博報堂DYメディアパートナーズから資本の提供を受けまして、それぞれ5パーセント・3パーセントの株主になっていただきました。

これは言うまでもなく、「AbemaTV」の直接のお取引先ですので、これは効果が望めるのではないかと期待しております。

5.メディア事業 [AbemaTV]⑥

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これは今朝(2018年10月25日)発表したものですけれども、パナソニック4Kテレビの「ビエラ」のリモコンに(「AbemaTV」ボタンの)搭載が決まりました。

これで、すでに発表しているソニーのテレビに続いて2社目(の搭載)ということで、こういったところも着々と進めております。

6.総括①

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最後にまとめますと、過去にメディア……ブログに投資をしていた時に、一時的に収益を犠牲にしたり、スマートフォンに投資をした時に一時的に犠牲にしたりといったことをやってきましたけれども。

今は動画事業への大きな投資をしかけているタイミングですので、今利益ベースでは今期の見込みも横ばいということになっておりますけれども、収穫の時を迎えたら、大きく成長できる基盤にしたいと考えております。

6.総括②

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基本的な方針は今期もまったく変わらず、「AbemaTV」をこのままマスメディアまで育てるというところ。

広告事業に関しては引き続き、市場成長を上回る増収率を達成したいと(いうところ)。

ゲーム事業に関しては、『ドラガリアロスト』が出たことで一段落というのもありますけれども、継続的にヒットを出しながら、さらにシェアを拡大していくという考え方をしております。

以上でございます。どうもありがとうございました。

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