Amazon独占販売の本は文学賞の候補に選ばれるべきではない? 仏で議論

2018年9月25日 22:26

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward曰く、 フランスの文学賞「ルノードー賞」の2018年の候補作として、Amazonのオンデマンド出版サービス「CreateSpace」で自費出版された作品がノミネートされたのだが、これを巡りフランスの書店団体が抗議を行うという、異常な光景が繰り広げられているという(GIGAZINEGuardian)。

 抗議を受けたのはイスラエル系フランス人のルコ・コスカス氏著の「Bande deFrançais」という作品で、同氏は普段は既存の出版社から出版していたものの、それを断られたため止む無く自費出版したという。結果、文学賞の候補に選ばれるほどの評価を得たのだが、書店団体は同作がAmazon独占販売であることから、書店に不利益を与えるものだと反発、賞の候補から外すよう求めているという。

 これに対して作者のコスカス氏は、「フェアプレー精神の欠如」「ミスを犯した出版社こそが責められるべきだ」と当然ながら激しく批判を展開、またAmazonからの出版では遥かに柔軟な契約が可能であることなどを示し、既存の出版業界に改善を求めている。タレコミ子としても、書店から出版した本でなければ文学賞の候補になるべきではないというのは、あまりに暴論だと思われる。

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