ザ・リラクスの2018-19年秋冬コレクション 新しい根から広がる美しい世界

2018年8月16日 07:08

印刷

記事提供元:ファッションプレス

 ザ・リラクス(THE RERACS)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクション。デザイナー倉橋直実によるザ・リラクスは、木の根、基準・原点・原理原則などを意味する「Basis」を再びテーマに設定した。

■定番アウターを一から再構築

 ここ数シーズン、木の成長にブランドの方向性を重ね合わせ、根を張り、太い幹を伸ばし、大きな枝を広げ、青々とした葉をつける一連の流れに合わせてコレクションを展開していたブランド。今季は、再び根=Basisをテーマに掲げることで、ブランドの本質と改めて向き合うこととなる。「BASIS」に戻った今季は、テーラード、ミリタリー、ユーティリティとザ・リラクスの根底にある概念を、組み合わせて再構築する「スクラップ&ビルド」のコンセプトの元、もう一度再定義。大きく変化させたのは、ザ・リラクス定番となっていたアウター類の見直しだ。パターンから素材選び、装飾まで全てを一新させ、洋服の根である、抜本的なパターンおよび使用、素材全ての組み合わせを再定義。より進化させ、揺るがないものへと昇華させる。

 モッズコートは身幅、腕周りをともに広くとることで、よりストレスを感じさせない快適な着心地を追求。ウールのチェスターコートも同様に身幅を広く、また丈感も長くすることでモダンにアップデートさせた。

 作り方そのものをブラッシュアップさせたのは、ブランド定番のタキシード ジャケット。クラシックな佇まいと、こだわりのアームホールと袖による快適な着心地から人気を集めるピースは、紳士服でみられる伝統的な手法でリデザイン。現在はなかなか手にすることのできない総毛芯のジャケットとして生まれ変わらせた。根底のアプローチは、古きよき伝統にのりながらも、ディテールはモダンに進化。袖の本切羽1つボタンにするなど、ミニマルに整えて、次世代に向けた新しいジャケットとして提案する。

 近年、冬の定番アウターとして定着しているダウンジャケットは、ザ・リラクスならではの洗練された角度からメスを入れて、アクティブさを軽減させた。ブランド人気のショート モッズ コートからインスピレーションを得て、蹴回しを長く設計。また裾にかけて広がるAラインのシルエットを取り入れることで、女性らしい優しい印象に仕上げた。もちろん、撥水性の高く軽量な素材を選び、ダウンジャケットならではの機能性も追求している。

 シルエット、縫製、素材などにとことんこだわりつつも、装飾部分はあえてシンプルであることを追い求め、ミニマルなデザインに磨きをかけた。ベルトのついていたロングコートは、、ベルトを取り除き、設計を邪魔しない、ミニマルなデザインに。ヴィンテージ加工を施したテキスタイルを選ぶことで生地そのものに表情を持たせた。ロングのピーコートは、アンゴラとウールを掛け合わせたこだわりの素材を使ってデザイン。ラペルを2重にし、間に光沢のあるサテン地をかませることでほんのりと色気を添えた。

■赤と青のチェック柄が心をつかむ

 コレクションにリズムをもたらしたのは、赤や青色などの鮮やかカラーで描いたチェック模様。2018年春夏から倉橋の心をつかんでやまない、アイコニックなパターンだ。

■アウターから派生して生まれるボトムス

 ボトムスはアウターの延長線で制作するかのように、それらのデザインになぞらえた形で作り上げた。コートのディテールをボトムスに移行させ、ダッフルコートをモチーフとしたスカートにはオリジナルロゴ入りの木製トグル釦をプラス。膝丈スカートはモッズコートのようにラウンド型にカッティングして、ジップとスナップボタンでアクティブな要素を加えた。

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

関連キーワード

関連記事