25日の米国市場ダイジェスト:NYダウは172ドル高、貿易戦争への警戒感が後退

2018年7月26日 07:52

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記事提供元:フィスコ


*07:52JST 25日の米国市場ダイジェスト:NYダウは172ドル高、貿易戦争への警戒感が後退
■NY株式:NYダウは172ドル高、貿易戦争への警戒感が後退

米国株式相場は上昇。ダウ平均は172.16ドル高の25414.10、ナスダックは91.47ポイント高の7932.24で取引を終了した。一部の主要企業決算が嫌気されてダウが下落するなど、寄付き後から揉み合う展開となった。米・EU首脳会談の結果を見極めたいとの思惑が広がるも、主要決算発表への期待から小幅上昇。トランプ大統領とEU首脳の通商協議が妥結したことが報じられると、引けにかけて上げ幅を拡大した。セクター別では、商業・専門サービスや運輸が上昇する一方で電気通信サービスや自動車・自動車部品が下落した。

病院運営のHCAヘルスケア(HCA)は、決算内容が予想を上振れたほか、通期見通しを引き上げ、大幅上昇。運輸・宅配のユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)や飲料メーカーのコカコーラ(KO)は、決算内容が好感され堅調推移。一方で、自動車大手のフィアット・クライスラー(FCAU)は、決算で通期見通しを引き下げたほか、21日にCEOを退任したセルジオ・マルキオンネ氏が急逝したことで大幅下落。ゼネラル・モーターズ(GM)もアルミや鉄鋼への関税付加による原材料費高騰で慎重な業績見通しを示し、軟調推移。通信大手のAT&T(T)は、売上高が前年同期比から減少し売られた。

マーケット終了後にSNSのフェイスブック(FB)が発表した4-6月期決算は、一株利益は予想を上振れたものの、売上高、月間アクティブユーザー数(MAU)ともに下振れ、時間外取引で下落して推移している。

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■NY為替:ユーロ反発、貿易障壁除去で米国とEUは合意

25日のニューヨーク外為市場でドル・円は、111円12銭から110円67銭まで下落したが、110円97銭で引けた。金融政策決定会合を来週に控え、日本銀行も金融緩和の出口戦略の検討を始めるとの見方で円買いが加速した。トランプ政権は年内に外国製自動車2000億ドル相当に25%関税を発動する見込みと伝えられたことから、ドル売りが優勢となった。その後、会談で、欧州連合(EU)が譲歩して貿易障壁を取り除いていくことで双方は合意し、貿易戦争は回避されるとの見方が広がったことから、リスク選好のドル買い・円売りが再燃した。

ユーロ・ドルは、1.1664ドルまで下落後、1.1739ドルまで急伸し、1.1731ドルで引けた。米国とEUの貿易戦争は回避されるとの見方でユーロを買い戻す動きが広がった。ユーロ・円は、129円41銭から130円27銭まで急伸した。ポンド・ドルは、1.3133ドルから1.3201ドルまで上昇した。ドル・スイスは、0.9949フランから0.9909フランまで下落した。


■NY原油:続伸で69.30ドル、原油とガソリン在庫の減少幅は予想を上回る

NY原油先物9月限は続伸(NYMEX原油9月限終値:69.30 ↑0.78)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は前日比+0.78ドルの69.30ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めて一時69.70ドルまで買われた。原油在庫とガソリン在庫の減少幅は市場予想を上回ったことが要因。需給ひっ迫に対する警戒感が浮上し、原油先物は強い動きを見せた。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 31.07ドル +0.24ドル(+0.78%)
モルガン・スタンレー(MS) 51.04ドル +0.06ドル(+0.12%)
ゴールドマン・サックス(GS)236.69ドル +0.81ドル(+0.34%)
インテル(INTC) 52.43ドル +0.25ドル(+0.48%)
アップル(AAPL) 194.82ドル +1.82ドル(+0.94%)
アルファベット(GOOG) 1263.70ドル +15.62ドル(+1.25%)
フェイスブック(FB) 217.50ドル +2.83ドル(+1.32%)
キャタピラー(CAT) 140.48ドル +2.51ドル(+1.82%)
アルコア(AA) 43.11ドル +0.62ドル(+1.46%)
ウォルマート(WMT) 87.90ドル -0.06ドル(-0.07%)
スプリント(S) 5.42ドル +0.02ドル(+0.37%)《HT》

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