エーザイ、村田製、鳥貴族など/本日の注目個別銘柄

2018年7月9日 15:43

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記事提供元:フィスコ


<4523> エーザイ 10710 +1504ストップ高。フェーズ2試験結果を好感する動きが続く。野村證券では、aducanumabとBAN2401の成功確率を25%から50%に引き上げ、投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に、目標株価も8400円から15000円に変更した。がん免疫療法のKeytrudaと併用するLenvimaに加え、アルツハイマー病の有望薬2剤を併せ持つ二刀流企業として、高い成長が期待できると評価している。

<6981> 村田製 20095 +1115大幅続伸。セラミックコンデンサーを全製品で2-3割値上げすると報じられている。スマホの高機能化に加え、車の電子化、「5G」設備などで需給が逼迫しているため。値上げはITバブル期の2000年以来18年ぶりと、電子部品では異例。太陽誘電<6976>でも一部値上げの要請を始めているもようで、値上げの動きは広がっていく可能性が高いと見られている。収益力の拡大につながるとの期待感が高まる展開に。

<1433> ベステラ 1563 +300ストップ高。日立プラントコンストラクションと、国内原子力発電設備の解体作業における業務提携契約を締結したと発表、期待材料視されている。日立プラントコンストラクションが持つ原発設備の解体工事の実績や経験と、同社が持つ独自の解体技術を組み合わせることで、原子力廃炉関連ビジネスにおいて競争力を強化していく計画のようだ。収益水準の切り上がりにつながるとして、期待感が先行している。

<3134> Hamee 1495 +182大幅続伸。いちよし証券ではレーティングを新規に「A」、フェアバリューを2000円としている。スマホケース「iFace シリーズ」を中心に業績好調が続くと予想されるほか、ECバックオフィスシステム「ネクストエンジン」を中心とするプラットフォーム事業の潜在成長性を評価としている。今4月期営業利益は16億円、前期比16%増益を予想、会社計画の14億円を大きく上回るとみている。

<3608> TSI HD 784 +48大幅反発。先週末に第1四半期決算を発表。営業益は11.1億円で前年同期比35%減益、通期会社計画は32億円と前期比48%増益であり、低調なスタートに。ブランド廃止の影響が約6億円、夏物投入早期化による在庫評価の影響約3億円などが響いた。ただ、特殊要因を除くとほぼ計画線のようだ。一方、発行済株数の3.05%に当たる300万株を上限とする自己株式取得を発表、前期から続く積極的な株主還元を評価へ。

<9861> 吉野家HD 1809 -297大幅続落。先週末に発表した第1四半期決算が嫌気されている。営業損益は1.8億円の赤字となり、前年同期比では9.3億円の収益悪化となっている。上半期は22億円の黒字で同3%増益の計画であり、想定以上に収益は悪化したとの見方に。既存店売上高は堅調な推移となっていたことで、ネガティブなインパクトが強いもよう。肉・米を中心とした食材価格の上昇、教育コストやパート時給上昇など人件費の増加が響いている。

<8016> オンワードHD 704 -133大幅反落で年初最安値更新。先週末に発表した第1四半期決算では、営業利益は前年同期比22%減の35.6億円にとどまっている。通期の会社計画は72億円で前期比39%増益、やや楽観的との見方はあったが、大幅減益スタートは想定外と捉えられているようだ。23区などの主力ブランドの販売が苦戦したほか、海外事業の営業赤字幅も拡大している。コンセンサスの一段の切り下がりが想定される状況に。

<6289> 技研製作所 2036 -419大幅反落で下落率トップ。先週末に発表した第3四半期決算が嫌気材料となっている。累計営業利益は32.8億円で前年同期比16.3%減益、通期計画58億円、前期比13.2%増益予想には未達懸念が高まっている。第2四半期累計では前年同期比2.1%減益であったため、足元で減益幅が拡大する状況に。大型機の納入が第4四半期にずれ込んだこと、人件費など販売管理費が増加したことが収益悪化の背景となっている。

<4205> 日ゼオン 1407 +112大幅続伸。先週末に自己株式の取得実施、並びに増配を発表している。発行済み株式数の2.25%に当たる500万株を上限に自社株買いを実施、取得期間は本日から8月31日までとしている。比較的取得期間は短く、需給インパクトも期待される形に。また、期末配当金の引き上げも発表、年間配当金は従来の18円から19円にするとしている。積極的な株主還元策が、リバウンドへの期待を高めさせている。

<3193> 鳥貴族 2197 -235大幅反落。先週末に今7月期の業績予想下方修正を発表している。営業利益は従来予想の23.6億円から15.1億円に大幅下方修正、既存店売上高の伸び悩みが背景になっている。価格改定以降、客数や注文点数が減少しているもよう。5-7月期は収益水準が急速に低下する形となっている。また、不採算店舗の減損を見込むことから、最終損益は13.4億円から5.9億円にまで下方修正している。《US》

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