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日本ライフL Research Memo(3):循環器疾患に特化した豊富な製商品構成
*15:04JST 日本ライフL Research Memo(3):循環器疾患に特化した豊富な製商品構成
■事業概要
3. 品目別の状況
日本ライフライン<7575>の品目領域は、リズムディバイス、EP/アブレーション、外科関連、インターベンションの4つに大別される。売上構成比は2018年3月期で、リズムディバイス17.1%、EP/アブレーション48.1%、外科関連27.1%、インターベンション7.6%である。
a) リズムディバイス
リズムディバイスでは、不整脈治療用の機器を扱っている。主な商品は心臓ペースメーカー、ICD(植込み型除細動器)、CRT-D(除細動機能付き両心室ペースメーカー)など電気刺激によって心臓の動きを正常に保つ植込み体内植込み型機器である。そのほか、AED(自動体外式除細動器)も扱っている。心臓ペースメーカーの市場では、近年急速にMRI対応のペースメーカーが主流を占めるようになってきた。このため、同社も「KORA250」などMRI対応の商品を投入している。なお、リズムディバイスはすべて仕入商品となる。
心臓ペースメーカー(LivaNova)は、脈拍が正常よりも少ない場合に使用される体内植込み型の医療機器である。心臓の動きを常に監視し、脈が途切れたことを感知すると、電気的刺激を送って心臓の動きを正常に戻す。ICD (LivaNova)は、突然起こる心室細動や心室頻拍といった危険性の高い不整脈を自動的に感知し、これも電気治療を行うことで心臓の動きを正常に戻す。CRT-D(LivaNova)は、重症心不全の場合に、心臓の左右両方の心室に電気刺激を与えることで、心臓の同期不全を整えポンプ機能を改善するとともに、ICDと同様に除細動の機能を併せ持つ。ペースメーカーリード(LivaNova)は、電気的刺激を心筋に伝えるための導線で、心臓ペースメーカーに接続して使用する。ICDの発する電気的刺激を心筋に伝えるためのICDリード(LivaNova)には、電気ショックによる治療を行うためのコイルがついている。イベントレコーダー(LivaNova)は、心臓のイベントを検知し、記録する体外型の心電計である。心電図の変化を確認することができ、不整脈の分析などに使用される。AED(NANOOMTECH)は自動で心臓の状態を判断し、心室細動など心臓が痙攣した状態を感知すると電気ショックを与えて心臓の状態を正常に戻す。
同社は心臓ペースメーカーと関連商品について、LivaNovaから供給を受けている。ペースメーカーのMRI対応の遅れにより、販売台数が減少していたが、18/3期にはシェア15%まで回復している。しかしながら19/3期については、4月に行われた診療報酬改定により遠隔診療の保険点数が増加したことから、遠隔モニタリングへと医療現場のニーズがシフトしたものの、LivaNova社の遠隔モニタリング装置の供給力に課題があり、19/3期の販売数量は前期に対して減少を想定しているという。
b) EP/アブレーション
EP/アブレーションでは、不整脈検査・治療用のディスポーザブル式の電極付きカテーテルを取り扱っている。2018年3月期に症例数が前期比22%増になるなど、近年、心房細動のアブレーション治療件数が急速に伸びている。なお、カテーテルとは中空の柔らかく細い管であり、皮膚の表面から血管に挿入して治療を行う医療機器を広く指す。
EPカテーテル(自社)は心臓内で電位を測定し、不整脈の原因となっている部分を特定するための電極の付いた細いカテーテルのことである。心臓の中の様々な部位を検査できるよう、先端のカーブ形状や電極の数・位置、細さなど種類が豊富にある。また、手元のグリップレバーで先端をカーブさせるシングルディレクショナル(片側に曲がる)タイプとバイディレクショナル(両側に曲がる)タイプがあり、それぞれにカーブバリエーションがそろえられている。
アブレーションカテーテル(自社)は、脈が速くなる不整脈(頻脈)の原因となっている刺激伝導経路を、高周波電流で局所的に焼灼して治療する電極カテーテルである。EPカテーテルと同様に、心臓の中の様々な部分を焼灼できるよう種類が豊富にある。また、イリゲーションカテーテルはアブレーションカテーテルの1つで、カテーテルの先端に生理食塩水を射出させる穴が開いており、先端電極を冷却しながら焼灼を行うことで体内での血栓の発生を軽減する機能を持つ。
心腔内除細動システム(自社)は、アブレーション治療中に発生した心房細動などに対し、心臓内で除細動を行うシステムである。体外からの除細動に比べ低いエネルギーで効果があるため、より低侵襲(患者の身体的負担を小さくする)に行うことができる。心房細動に対するアブレーション治療は、その他のアブレーションに比べ、特に致死率が高い左房と食道が貫通する食道ろうを始め、食道炎や食道潰瘍といった合併症の発生率が高い。食道温モニタリングシステム(自社)は、アブレーション治療中に連続的に食道温度のモニタリングを行うことで、こうした合併症の発生を防いでいる。
c) 外科関連
外科関連では、機能を喪失した血管や心臓の弁を人工の臓器に置き換えて治療する、外科手術用の医療機器を扱っている。主な自社製品は人工血管とオープンステントグラフトであり、これらは2017年4月に吸収合併したJUNKEN MEDICALが製造していたものである。主な仕入商品は胸部・腹部用ステントグラフト、人工心臓弁、人工弁輪である。腹部領域のAFXステントグラフトシステムは好評で、18/3期には15%を超えるシェアを獲得した。なお、ステントグラフトとは、人工血管と同じく大動脈瘤の治療に用いられる医療機器だが、開胸手術を行う人工血管に対し、ステントと言われるバネ状の金属製の筒を縫い付けた人工血管を、カテーテルに収納した状態で足の付け根の血管から治療部位まで挿入し、バネの力で血管に押し付けて固定する医療機器である。
人工血管(自社)は、胸部や腹部の大動脈瘤などを治療するための医療機器で、血管に出来た瘤の置き換えや閉塞した血管のバイパスに使用される。オープンステントグラフト(自社)は、胸部大動脈疾患を治療する医療機器であり、胸部大動脈を広範囲に人工血管で置き換える際に、従来の人工血管のみで行う治療の場合には、2回の開胸手術が必要であったのに対し、オープンステントグラフトを併用することで1回の開胸手術のみで治療が完結でき、手術時間の短縮や患者の身体的な負担の軽減につながっている。
胸部ステントグラフト(Bolton Medical)は、胸部大動脈瘤を治療するための医療機器である。人工血管と異なって開胸手術を行わずに、拡張力のある金属製のステントが縫い付けられた人工血管を、足の付け根の血管からカテーテルを通じて胸部の治療部位へ運んで展開、大動脈瘤への血流を遮断し治療をする。腹部ステントグラフト(Endologix)は、腹部大動脈瘤を治療するための医療機器で、胸部ステントグラフトと同様に、腹部の治療部位へ運んで展開、大動脈瘤への血流を遮断し治療をする。そのほか、人工心臓弁(LivaNova)は、狭窄症や閉鎖不全症などの疾患により、本来の機能を果たせなくなった心臓の弁を置き換えるための医療機器である。
d) インターベンション
インターベンションでは、主に心筋梗塞や狭心症などを治療するための医療機器を扱っている。主な自社製品は、心筋梗塞などの際に血管(冠動脈)の詰まりを治療する際に使用するガイドワイヤーとバルーンカテーテルである。主な仕入商品は、同じく心筋梗塞、特に完全閉塞を治療する際に使用するバルーンカテーテル、治療を補助する貫通用カテーテルと、先天性の構造的心疾患を治療する際に用いる心房中隔欠損閉鎖器具である。末梢血管用のPTAバルーンカテーテルの市場が成長しており、同社も拡大する末梢領域に対応して成長を取り込む考えである。
ガイドワイヤー(自社)は、バルーンカテーテルやステントなどを血管の中の治療部位に導くために使用する針金のような医療機器で、大腿部などから血管に挿入し、冠動脈や末梢動脈の狭窄部位を通過させ、このワイヤーに沿ってデバイスを運ぶ。バルーンカテーテル(自社)は、冠動脈が狭くなったり、詰まったりした場合におこる心筋梗塞や狭心症を治療するための医療機器で、血管の内側からカテーテル(細い管)についた風船を膨らませ、血管を押し拡げることで治療する。貫通用カテーテル(Vascular Solutions)は、冠動脈や末梢動脈においてガイドワイヤーの病変通過をサポートするために用いられる医療機器である。
心房中隔欠損閉鎖器具(Occlutech)は、心房中隔欠損症という心臓の左右の心房を隔てる壁である心房中隔に、先天的に欠損孔という穴が開いている疾患を治療するための医療機器である。外科手術を行うことなく、カテーテルを用いて閉鎖栓という円盤状の器具により欠損孔を塞いで治療するため非常に低侵襲と言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)《MW》
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