4日の中国本土市場概況:上海総合0.5%高で反発、銀行・保険セクター相場けん引

2018年6月4日 16:49

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記事提供元:フィスコ


*16:49JST 4日の中国本土市場概況:上海総合0.5%高で反発、銀行・保険セクター相場けん引
週明け4日の中国本土市場は値上がり。主要指標の上海総合指数は、前営業日比16.05ポイント(0.52%)高の3091.19ポイントと反発した。上海A株指数も上昇し、16.82ポイント(0.52%)高の3237.70ポイントで取引を終えている。

中国人民銀行(中央銀行)の金融政策を好感。人民銀は1日、市中銀行向けの貸し出し「中期流動性ファシリティ(MLF)」について、差し入れ可能な担保の範囲を拡大すると発表した。一部の現地メディアは、「預金準備率の引き下げに相当する流動性供給効果がある」などと報じている。ただ、上値は限定的。米中貿易摩擦の警戒感がくすぶっている。3回目の公式協議は3日に終了した。協議後に中国は「農業とエネルギーで具体的な進展があった」と声明したが、米国側からの声明は現時点で発表されていない。協議に参加した中国当局者のコメントとして、また中国メディアは3日、「米国が関税賦課を実行に移した場合、中国はこれまでの合意を無効にする」と報じた。

銀行・保険株が相場をけん引する。中国農業銀行(601288/SH)が1.7%高、中国平安保険(601318/SH)が3.1%高と値を上げた。保険株に関しては、中国人民保険集団(1339/HK)などが申請したA株IPOに関し、あす5日に上場の可否が決められると伝わったことも支援材料。市場の注目が高まると期待された。不動産株も高い。保利地産(600048/SH)が1.7%上昇した。セメント株、空運株などもしっかり。消費関連株も上げが目立つ。白酒(中国の蒸留酒)メーカー最大手の貴州茅台酒(貴州マオタイ:600519/SH)が5.0%高、家電メーカー中国大手の青島海爾(600690/SH)が3.2%高で引けた。

半面、石油関連株は安い。海油工程(600583/SH)が3.2%下げた。原油市況安が嫌気されている。インフラ関連株、証券株、自動車株などもさえない。医薬株は続落した。太陽光発電の関連銘柄は急落。通威(600438/SH)と隆基(601012/SH)、林洋能源(601222/SH)などがそろってストップ安。中国政府が1日、太陽光発電事業に対する補助金削減方針を示したことが嫌気されている。

一方、外貨建てB株の相場は値上がり。上海B株指数が1.44ポイント(0.47%)高の306.01ポイント、深センB株指数が14.70ポイント(1.34%)高の1112.42ポイントで終了した。


【亜州IR】《FA》

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