8日の香港市場概況:ハンセン1.4%高で続伸、吉利汽車が5.3%上昇

2018年5月8日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 8日の香港市場概況:ハンセン1.4%高で続伸、吉利汽車が5.3%上昇
8日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比408.55ポイント(1.36%)高の30402.81ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が178.38ポイント(1.49%)高の12144.79ポイントとそろって続伸した。売買代金は1031億6100万香港ドルにやや拡大している(7日の売買代金は954億8600万香港ドル)。

内外環境の改善が追い風。米株市場が昨夜、ハイテク株の主導で続伸した流れを継いだ。また、中国国内では、減税効果により企業業績が伸長するとの期待感が改めて強まっている。なお、取引時間中に公表された4月の中国貿易統計では、輸出入の伸び率がそろって前月から上向いた。

ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が5.3%高と大幅続伸。4月の自動車販売が49%も拡大し、伸び率が前月の39%からさらに加速した点が好感された。また、「増値税」の税率引き下げでは、自動車産業に恩恵が大きいとの見方も流れている。アップル関連とされるハイテク銘柄群も高い。光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が4.9%、小型電子部品メーカーの瑞声科技HD(AACテクノロジーズ:2018/HK)が4.3%ずつ値を上げた。自動車産業と同様に、ハイテク関連の減税効果は大きいとみられている。

中国の保険セクターも軒並み上昇。中国太平洋保険集団(2601/HK)が5.8%高、新華人寿保険(1336/HK)が4.8%高、衆安在線財産保険(6060/HK)が3.7%高、中国人民財産保険(2328/HK)が3.1%高、中国平安保険(2318/HK)が2.3%高、中国人寿保険(2628/HK)が2.0%高で引けた。中国銀行保険監督管理委員会が「税繰り延べ商業年金保険」のガイドランインを公表するなか、新保険商品の拡充による業績成長が連想された。また、保険会社の安定経営を維持するための「保険保障基金」について、法人所得税の一部免税が伝えられたことも好材料だ。

本土系不動産セクターも物色される。中国金茂HD(817/HK)が5.5%高、万科企業(2202/HK)が4.5%高、合景泰富地産HD(KWGプロパティー・ホールディング:1813/HK)が2.1%高、碧桂園HD(2007/HK)が1.6%高と買われた。

本土市場も続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.79%高の3161.50ポイントで取引を終えた。保険株が高い。自動車株やハイテク関連株、消費関連株、資源・素材株、交通インフラ株なども物色されている。

【亜州IR】《FA》

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