小型ジェット機出荷数で世界1位のホンダジェット、インドで受注開始

2018年3月10日 10:44

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ニューデリー市に拠点を置くアロー・エアクラフト社との調印の様子。(画像: 本田技研工業の発表資料より)

ニューデリー市に拠点を置くアロー・エアクラフト社との調印の様子。(画像: 本田技研工業の発表資料より)[写真拡大]

 ホンダの航空機事業子会社、ホンダエアクラフトカンパニー(HACI)はインドにおける「ホンダジェット」の受注を開始したと発表。小型ジェット機カテゴリーにおける2017年出荷数で世界1位となった同機のさらなる販売拡大を狙い、経済成長を続けるインド市場に参入する。

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 ホンダジェット1機の価格は日本円で億を超える。そのため顧客は主に富裕層や法人だ。インドでは特にその富裕層の割合がこれから年を経るごとに増し、消費に占める割合も増加するとみられている。

 2017年3月に発表されたボストンコンサルティンググループのインドでの消費に関する調査で、インドの各所得階層が消費に占める割合や消費額、将来予測などが示された。それによると2025年までに消費総額は4兆ドルを超え、2016年に合わせて8%だった富裕層と超富裕層の割合は2025年には16%に倍増する見通しだ。

 また富裕層は消費全体の40%を占める、最大の消費階層になるとも分析されている。こうした傾向はインドにおけるホンダジェットの受注にも好ましく作用する可能性がある。

 HACIの事業は着実に拡大している。2015年のアメリカ連邦航空局による型式証明取得を皮切りにヨーロッパやカナダ、ブラジルなどにおいても型式証明の取得に成功。北米、ヨーロッパ、中南米と販売領域を広げ、中国などアジアでの展開も行っている。

 2017年の小型ジェット機分野での出荷数は43機に達し、競合する他社を抑えて世界トップとなった。2018年に入ってからはフランスのエアタクシー会社のWijet S.A.から16機の注文を受けている。確かな成長を遂げるHACIは活動の場に新しくインドも加え、これからさらに勢いを増していきそうだ。(記事:小椋恒示・記事一覧を見る

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