エスプール Research Memo(4):障がい者雇用支援サービスと人材アウトソーシングサービスの高成長続く

2018年2月7日 15:24

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記事提供元:フィスコ


*15:24JST エスプール Research Memo(4):障がい者雇用支援サービスと人材アウトソーシングサービスの高成長続く
■業績動向

2. 事業セグメント別動向
(1) ビジネスソリューション事業
エスプール<2471>のビジネスソリューション事業の売上高は前期比16.2%増の3,998百万円、営業利益は同24.7%増の728百万円となった。売上高は5期連続増収、営業利益は3期連続の増益となり過去最高を更新した。

事業別の動向を見ると、障がい者雇用支援サービスは売上高が前期比47%増の1,305百万円、営業利益も前期比240百万円増と大幅な増収・増益となり、同事業セグメントのけん引役となった。当期は新たに1農園(柏第1ファーム)を新設し、既存農園の増設分も含めて販売区画数が前期比137区画増の490区画となったことで農園設備販売や農園管理収入が大きく伸長した。また、障がい者の新規採用数も前期比104名増の290名と大幅に伸び人材紹介料も増収となった。売上高の内訳で見ると、農園設備販売が前期比41%増の737百万円、農園管理収入が同85%増の390百万円、人材紹介料等のその他が同14%増の178百万円となっている。

ロジスティクスアウトソーシングの売上高は前期比13%増の1,185百万円となった。事業構造転換を進めるなかで、物流センター運営代行サービスは前期比39%減の215百万円と減少したが、EC事業者向けを中心とした発送代行サービスが同97%増の970百万円と大幅増収となった。国内EC市場の拡大に加えて2017年6月から越境EC向けのサービスを開始したこともあり、取引社数が前期末の105社から170社と約1.6倍に増加したことが増収要因となった。一方、営業利益は2017年1月に開設した葛西センターの立上げ負担増が響いて前期比33百万円の減益となった。

フィールドマーケティングサービス(スマートメーター関連業務)の売上高は前期比28%減の598百万円、営業利益は同50百万円の減益となった。東京電力管内の電力メーター交換工事が減少したことが減収要因となった。なお、電力メーター交換工事については2017年11月末で業務を終了している。

セールスサポートサービスの売上高は前期比34%増の559百万円となった。当期は新たにタバコの販促支援業務の受注を獲得したことが増収要因となった。営業利益についてはほぼ前期並みの水準で推移した。その他、プロフェショナル人材バンクサービスの売上高はベンチャー企業や中小企業向けにマネジメント経験者や有資格者等の派遣・紹介需要が旺盛で前期比25%増の188百万円、営業利益は同15百万円の増益と好調に推移した。また、採用支援サービスの売上高も顧客数の増加(前期末比24社増の40社)に伴い前期比2倍増の180百万円と順調に拡大した。利益ベースではまだ若干の損失となっているが、2018年11月期には黒字に転換する見通しとなっている。

(2) 人材ソリューション事業
人材ソリューション事業の売上高は前期比32.4%増の7,722百万円、営業利益は同28.6%増の680百万円と2ケタ増収増益を継続した。売上高の内訳を見ると、コールセンター業務は前期比31%増の5,607百万円、店頭販売支援業務は同38%増の1,756百万円といずれも好調に推移した。コールセンター業務については、グループ型派遣による未経験者の即戦力化や定着率の向上により、既存顧客先でのシェア拡大が進んだほか新規顧客の開拓も進んだことが増収要因となった。一方、店頭販売支援業務では携帯ショップ向けの低迷が続いたものの、家電量販店での販売支援業務が好調に推移した。

営業利益率が前期の9.1%から8.8%と0.3ポイント低下したが、これは社会保険費用の負担増(対売上比比率で1.0ポイント上昇)が要因となっている。同要因を除けば、0.7ポイントの上昇となったが、これは単価の高い業務の比率が上昇したことや、業務効率の改善効果、増収効果等による。

なお、新規事業として開始した介護・看護・保育業界向け人材サービスについては、求人サイト「One+(ワンプラス)」を2017年4月より開設したものの、Web集客に苦戦しており当初の計画を下回って推移した。現在は、コストを掛けずに早期収益化に取り組んでいく方針となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《HN》

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