松坂大輔 20年目のシーズンへ再起を目指して

2018年1月26日 06:58

印刷

 中日ドラゴンズへの入団が決まった松坂大輔。日本復帰後の3年間、負傷のため満足に投げることが出来なかった日米通算164勝のベテランは、再び「豪腕」を披露できるだろうか。

■多くの批判の中、ドラゴンズへ

 松坂大輔が20年目のシーズンを迎える。前所属のホークス退団の経緯も含め、中日入団までには様々な声が挙がっていた。過去3年間での実績も、一軍のマウンドに立ち打者と相対したのはたったの1度。一昨年のシーズン最終戦にまで遡り、四死球と被安打を繰り返した。

 もはや純粋な戦力と捉えるにはドラゴンズファンでさえ難しいことは事実だろう。チームも昨年まで5年間連続Bクラスと低迷、何れの年も勝率は5割に届いておらず、若返りが急務のチーム事情の中、今年38歳の松坂獲得は決して良策ではない。

■怪物の復活を期待

 それでも「10勝、20勝とは言わない。やりつくすまでやればいい」と、中日の森繁和監督は現役続行を後押しした。自身も西武ライオンズで現役時代を送り、松坂の新人時代にも2軍コーチを務めていたこともあり、後輩にプレーの機会を与える形となった。

 そしてその価値はグラウンド内だけではない。

 これまで日本、アメリカで計19シーズンを過ごしたベテランの再起へ向け取り組む姿は、低迷がつづく中日ドラゴンズの全選手へ伝わる影響は決して小さくないだろう。また、知名度からの集客面においても期待がかかり、一軍のマウンドに立つ機会が多ければ、近年下降の一途をたどっているドラゴンズの観客動員数にも大きな力たり得る。やはり多くのプロ野球ファンは松坂が背番号「99」を背負い躍動する姿を望んでいることは間違いない。

 古傷であり昨年も苦しめられた右肩の負傷は今なお完治はしていない。それでも球団は2月からのキャンプは一軍に帯同させる方針だと明かした。松坂も入団決定後、「自信がなければ断った。開幕ローテーションを目指す」と語っており、開幕一軍、そしてローテーション入りに向け先発としての再起へ意欲をみせている。

 プレイヤーとしての現役続行に拘った「平成の怪物」は新天地に降り立ち、新たに迎える2018年シーズンに向け力強く歩み始めた。(記事:佐藤文孝・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事