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RIZAPーG Research Memo(7):自治体との連携拡大でビジネスモデルが一変する可能性
*15:45JST RIZAPーG Research Memo(7):自治体との連携拡大でビジネスモデルが一変する可能性
■中長期の成長戦略と進捗状況
2. 『RIZAP 1,000万人 健康宣言』の進捗状況
RIZAPグループ<2928>は2017年8月の2018年3月期第1四半期決算発表に際して、RIZAPの新たなコミットとして『RIZAP 1,000万人 健康宣言』を発表した。これは2020年度までにRIZAPメソッドを1,000万人以上の人々に体験してもらい、健康で輝く人生をサポートする、というものだ。同社が提供するRIZAP関連サービスのうち、最も典型的にRIZAPメソッドが発揮されるボディメイクを、「1対n(多数)」の形で提供し、多数の人々の健康増進に繋げようというものだ。
「1対n」でのサービス提供は、極めて大きな意味が含まれている。RIZAPの本質は“マンツーマン”すなわち「1対1」だった。そこには施設のキャパシティやトレーナー数による“限界”が存在していた。「1対n」によるサービスはそれがない点で、RIZAPのビジネスモデルを一変させることになる。また、RIZAPが模倣されることへの懸念も払しょくすることが可能になる。
具体的取り組みとしては、1)大学・医療機関との連携、2)自治体との連携、3)法人プログラム、などがある。この中で弊社が特に注目する取り組みが自治体との連携だ。
同社の自治体連携の第1号は、2017年3月に発表された静岡県牧之原市との連携だ。これはRIZAPが開発した健康増進プログラムを、牧之原市の高齢者を対象に3ヶ月間(週1回のペース)実施するというものだ。参加者の平均年齢は68才だったが、開始時点の体力年齢は平均86.6才であった。プログラム実施後の体力年齢は平均73.0才に低下(体力年齢が13.6歳改善)し、明確な変化が見られた。
こうした実績の後押しもあり、同社は2017年11月8日に長野県伊那市との間で成果報酬型健康増進プログラムを開始することを発表した。牧之原市のケースと同様、高齢者を対象に健康増進プログラムを提供し、1)体力年齢が10才以上若返った人数×5万円、及び2)プログラム参加者の医療費削減額の半分、を試算し、高い方の金額が同社に支払われるという仕組みだ。
さらに同社は、伊那市に続いて長野県川上村とも連携し、同村の20歳~30歳代の後継者男性20人を対象に健康増進プログラムを提供することを発表した。
こうした、同社のスピード感のある動きもさることながら、弊社が自治体連携に注目する理由は、その潜在的なニーズの強さと市場の大きさだ。日本が世界的に例のない高齢化社会に突入しようとしていることは説明の必要はないだろう。地方自治体(市町村と特別区)は国民健康保険や介護保険の保険者として制度を運用しており、高齢化社会の進行に伴う社会保障給付の増大は、大きな問題となっている。
同社の自治体との取り組みはまだ始まったばかりだが、牧之原市や伊那市との取り組みが発表されて以後、全国の自治体からの問い合わせが増加しているもようだ。日本の市町村の数は1,741(市町村と特別区とされる東京23区の合計)あり、今後、同社と自治体の連携が大きく増加することは十分に考えられる。
同社が伊那市との連携で導入した成果型報酬は、双方にとって魅力が大きいと弊社では考えている。自治体側は医療費の削減などの成果がなければ費用はかからない。費用が発生する場合も、予算を組んで財布から払い出す必要はなく、節約できた金額の中から払うため、自治体にもメリットが残る。一方同社にとっては、非常に高マージンかつ大規模な収益源に成長するポテンシャルがあることになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)《TN》
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