後場に注目すべき3つのポイント~年末高を意識した個人の物色が強まりそう

2017年12月8日 12:35

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記事提供元:フィスコ


*12:35JST 後場に注目すべき3つのポイント~年末高を意識した個人の物色が強まりそう
8日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は大幅続伸、年末高を意識した個人の物色が強まりそう
・ドル・円は小じっかり、日本株高で円売り
・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位は東エレク<8035>

■日経平均は大幅続伸、年末高を意識した個人の物色が強まりそう

日経平均は大幅に続伸。274.50円高の22772.53円(出来高概算11億9000万株)で前場の取引を終えた。7日の米国市場は、ハイテク株を買い戻す流れが継続しているほか、原油相場の上昇が好感され、NYダウ、ナスダックともに上昇。また、米国では債務上限引き上げの採決が控えるなか、トランプ米大統領は7日、上下両院の指導者と会談し、下院は期間2週間の暫定予算案を同日、上院も8日までに採決の見通しと報じられていることも材料視されている。注目された先物・オプションSQについては、SQ値概算が22590.66円と無難に通過し、さらに日経平均はこれを上回る22627.95円で始まっており、心理的にも買い安心感につながった。

寄付き後にいったん先物が失速する場面もみられたが、直ぐに切り返す展開。上値抵抗として意識されていた25日線を突破していることもあり、年末高を意識した値動きをみせている。東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1200を超えており、全体の過半数を占めている。セクターでは、33業種全てが上昇しており、空運、パルプ紙、陸運、不動産、精密機器、ゴム製品、サービスが上位に。

日経平均は抵抗線として意識されていた25日線を突破しており、センチメントを明るくさせている。米雇用統計を控え、模様眺めムードが次第に強まる可能性があるものの、抵抗線突破により、押し目買い意欲は強そうである。また、SQ通過で来週以降は海外勢の商いが減る可能性があるが、年末高を意識した個人の物色が強まりそうだ。

その他、仮想通貨が急騰しており、投資家の関心がビットコインに向かっている。関連銘柄は年初以降、低迷していたものが多く、見直しの流れが強まるかが注目されそうだ。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は小じっかり、日本株高で円売り

8日午前の東京市場でのドル・円は小じっかり。日本株の大幅続伸によりリスク選好的な円売りがドルを押し上げた。

東京株式市場で日経平均株価が上げ幅を拡大する展開で、リスク選好的な円売りが強まり、ドルは113円前半で値を切り上げた。日本株の上昇基調が続けば、前日同様に円売り主導の展開が見込まれる。

ランチタイムの日経平均先物は堅調地合いを維持しており、目先の日本株高継続を期待した円売りが観測される。また、時間外取引の米10年債利回りが前日よりも高水準のため、ドル買いも入りやすい。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は113円08銭から113円39銭、ユーロ・円は133円12銭から133円40銭、ユーロ・ドルは1.1761ドルから1.1777ドルで推移した。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・DDS<3782>やアクセル<6730>がストップ高
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます

・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位は東エレク<8035>

■経済指標・要人発言

・米下院
「今月22日までの暫定予算案を可決」

・民主党シューマー上院院内総務
「予算案の交渉、良い進展」

・欧州連合(EU)のエッティンガー欧州委員(デジタル経済・社会担当)
「英国の離脱交渉で進展」

・ドイツSPD
「党大会でメルケル首相政党との連立協議支持を可決」

・アイルランド高官
「アイルランドと英国が国境問題で合意に近い」

・EUスポークスマン
「ブレグジット期限の延長はない」

☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
特になし

<海外>
・16:00 独・10月貿易収支(予想:+219億ユーロ、9月:+241億ユーロ)《DM》

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