乃木坂アンダーライブ大分公演で起きた奇跡

2017年10月15日 19:26

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 躍進が続く乃木坂46。盛況に終わった真夏の全国ツアーの余韻も残る14日には、アンダーメンバー(表題曲を歌う選抜メンバー以外のメンバー)による、『乃木坂アンダーライブ2017全国ツアー~九州シリーズ 大分公演』が行われた。

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 回を追うごとに、その評価が高まり、チケットもプラチナ化している乃木坂のアンダーライブだが、今回はこの大分を皮切りに九州を回る予定になっている。

 普段、なかなかライブに足を運ぶことができない首都圏以外の人たちにとっては、滅多にない機会ということで、首都圏から遠征する熱心なファンとのし烈なチケット争奪戦も行われていたようだ。特に今回は、卒業を控え、真夏の全国ツアーを欠席していた中元日芽香もフル参戦、前回東京シリーズでは選抜入りしていた人気メンバー、斉藤優里や樋口日奈らも出演ということで、非常に盛り上がった、いいライブになったという。

 記者は残念ながら参戦していないのだが、今回のライブが理想的だった点として、メンバーのみならず、客の態度も素晴らしかったという感想がSNS上で上がってきている。

 アイドルのライブ……特に、ファンの質の劣化に悩む坂道グループでは恒例になってしまった、開演前の語尾上げコールや奇声もなく、ライブのメンバーによるMC中に、話を止めてしまう耳障りな合いの手もなく、盛り上がるときは盛り上がり、静かに聞くときは聞くという、当たり前のことが、しっかりできていたというのだ。

 九州のファンのマナーがいいのか、あるいはアンダーライブという、一種独特な「歌やダンスを堪能するためにある空間」がそうさせたのかわからないが、近年の乃木坂のライブでは味わえなかった気持ちよさや一体感があったとの発言が多数見受けられた。

 さらに、会場には、メンバー、特に中元日芽香宛の花輪が美しくデコレーションされ、直前に欠席が発表された北野日奈子に対する暴言もなく、メンバーもMCをきちんと聞いてもらえるためか、ゆったりとこれまで発言してこなかったような内容まで斬り込んだトークが多かったという。

 例えば、18thのカップリング曲で、そのあまりにストレートすぎる歌詞ゆえにファンの間で賛否両論渦巻いた『アンダー』という楽曲に対する想いなどは、なかなかメンバーの口からは言い難いことだったと思うのだが、今回は中田花奈や中元日芽香がそのときの思いを語っている。

 ともあれ、これだけ満足度の高いライブが、この人気沸騰中で新規のファンも増加しているタイミングでできたのだから、ファンはもう一度、ライブや握手会での、自分の振る舞いを考えて欲しいものだ。

 ライブを見に行くことを「参戦する」と表現するが、それはファンもメンバーとともにライブを作り上げていく大切な主人公であるということだ。「〇〇さぁぁぁん! どっこー」「〇〇は俺の嫁~」などという、品のなさを感じさせる騒音が消えれば、さらにライブは楽しくなるということを、今回のアンダーライブは教えてくれた気がする。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る

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