途上国の農家を支援 農作物取引アプリ=国連WFP

2017年6月19日 12:22

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記事提供元:フィスコ


*12:22JST 途上国の農家を支援 農作物取引アプリ=国連WFP
 今やアフリカでは5億人以上の人が携帯電話サービスを利用し、2020年にはその数は7億2,500万人にのぼると予想されている。サービスの普及に合わせて、国連WFPは、農作物の取引情報を確認できる携帯アプリを立ち上げた。


 途上国の小規模農家とバイヤーが仮想空間で農作物を取引し決済できる、「バーチャル・ファーマーズ・マーケット(仮想農作物市場)」は、どこの市場では農作物にどの程度の価値があるのかを利用者に伝え、農家がよい条件で農作物を売ることができるよう情報提供するサービス。現在、ザンビアで試験事業中だ。

■アフリカの携帯ブーム


 携帯サービスを享受できる人口が増える一方で、村落部に暮らす数百万人もの小規模農家は、地元や国内の農産物市場へのアクセスを得るのに骨を折っている。この解決札の一環として、国連WFPの「バーチャル・ファーマーズ・マーケット(仮想農作物市場)」は、昨今のデジタルコミュニケーションの進化を利用し、小規模農家の市場アクセス改善と生計の向上につなげることを図る。

■電子決済まで、アプリを用いたソリューション


 バーチャル・ファーマーズ・マーケットは、小規模農家と市場をつなげる国連WFPの旗艦プログラム、「前進のための食糧購入(Purchase for Progress、略称P4P)」に基づく。P4Pとは、国連WFPが途上国の小規模農家から余っている作物を適正な価格で「買って支援」する仕組み(買い取った食糧は別の場所で支援食糧として配布)。


 国連WFPはアプリを用いて、農家の人々・商人・他のバイヤーと相互にやり取りできるような仮想ネットワークを創り出すことを狙う。どこの市場では農作物にどの程度の価値があるのかといった情報をリアルタイムで提供し、小規模農家の交渉力や得られる利益が増すと考えられる。


 創り出された農作物市場では、参加メンバーの適正評価や顔を合わせた会合を経て、農作物の売買から電子決済までを行うことができるようになる。

■ザンビアでの試験事業


 2016年7月、国連WFPはザンビアの村落部3県の農家と共にバーチャル・ファーマーズ・マーケットの試験事業を行う立ち上げ資金を提供した。


 2017年5月にバーチャル・ファーマーズ・マーケットのアプリ、「マアノ(Maano)」が公開された。マアノとは、現地の言葉で情報や知能という意味。現時点で約2,500名ものザンビアの農家の人々が、それぞれのコミュニティを代表すべく集まった50名の「マアノ大使」の下、試験事業に参加している。


 国連WFPは、2017年の農作物市場の季節である5月から10月にかけて、マアノアプリの試行と実施を予定し、第一段階の試行期間完了後、国連WFPはこの有望な取り組みにさらに磨きをかけ、ザンビアや他の国へ規模を拡大させる。

(編集・甲斐天海)

 

記事提供:大紀元《FA》

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