ヤフーが上場来初の減益決算を発表

2017年5月7日 07:13

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記事提供元:エコノミックニュース

ヤフーが1997年の上場以来初の減益決算を発表。前期決算の減益はアスクルの要因を背景とする面が大きいものの、ヤフーは正念場を迎えていると言えるのではないだろうか。

ヤフーが1997年の上場以来初の減益決算を発表。前期決算の減益はアスクルの要因を背景とする面が大きいものの、ヤフーは正念場を迎えていると言えるのではないだろうか。[写真拡大]

 ヤフー<4689>が1997年の上場以来初の減益決算を発表。子会社アスクルの火災等、様々な要因が重なったとは言え、高成長イメージのヤフーの減益決算及び来期の減益予想は驚きをもって受け止められている。

 ヤフーの2017年3月期決算は売上高8,537億円(前期比+30.9%)、営業利益1,920億円(同▲14.6%)、当期純利益1,365億円(同▲20.4%)となり、同社としては1997年の上場来初となる減益決算となった。

 20期連続の増収は果たしたものの、子会社のアスクルの前期の連結化の影響と物流センター火災による損害の発生及びショッピング事業他の先行投資がかさんだ結果、上場来継続していた連続増益の記録が途切れることとなった。

 ヤフーと言えば日本を代表する高成長企業としてのイメージを持たれており、上場以来の増益はヤフーの成長性を象徴していた。今回の減益決算は、アスクルの火災他の特殊要因を背景としたものではあるが、今期の2018年3月期も営業利益1,750~1,850億円の予想としており、2期連続での減益を見込んでいる。2期連続の減益は、これまで成長を続けてきたヤフーが転機を迎えている可能性を示唆している。

 しかしながら現在同社が注力しているeコマース事業は、ショッピング商品数・ストア数ともに国内最多(同社調べ)となる等、成果が表れつつある。ただしこれまで出店料及び月額利用料の無料化を行い、売り手側のシェア獲得を最重要視してきた結果であり、収益化はこれからの状況。今期からは買い手側の増加を果たし、eコマース事業の収益化を果たす施策にも注力する計画となっている。

 前期決算の減益はアスクルの要因を背景とする面が大きいものの、ヤフーは前期及び当期を先行投資期間と捉えている。その中で注力しているeコマース事業は着実にシェア拡大を果たしている。今後eコマース事業が本格的に収益貢献を行い、再成長への道を再び歩むことができるのか、ヤフーは正念場を迎えていると言えるのではないだろうか。(編集担当:久保田雄城)

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