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睡眠時無呼吸症候群の患者をCPAPで治療した前後での基礎代謝量・身体活動量・摂取カロリーの変化を示す図。(京都大学の発表より)[写真拡大]
京都大学の立川良大学院生と陳和夫特定教授らは、睡眠時無呼吸症候群の患者がCPAP(持続性陽圧気道)によって治療を受けた後に、体重が増加するメカニズムを明らかにした。
肥満と睡眠時無呼吸症候群が深く関係していることは良く知られているが、睡眠時無呼吸症候群の患者をCPAPで治療した後にも体重の増加現象が見られることが、最近になって知られている。
今回の研究では、この現象のメカニズムを明らかにするために、CPAPの治療前後でのエネルギーバランスの変化とそれに関係する因子について総合的な検討を行った。その結果、体重増加者、非増加者とも治療後にCPAP基礎代謝は約5%低下し、身体活動量は両群とも変化がなかった。一方、エネルギー摂取量は体重増加者に限って多くなっていることが明らかになった。このため、体重変化が食事内容に左右されていることが分かった。
さらに、体重増加者、非増加者の食行動を7つのカテゴリーで評価した(スコアが高いほど肥満につながりやすい食行動の乱れがある)ところ、体重増加者では一貫してスコアが高く、食行動が乱れている人では過食から体重増加を起こしやすいことが分かった。一方で、体重非増加者では時間経過とともにスコアが低下しており、食生活・食行動が改善していたことが分かった。
研究メンバーは、「わが国でも頻度の高い中等症・重症の閉塞性睡眠時無呼吸患者の臨床症状の改善や脳心血管障害予防にCPAPは有効な治療ですが、CPAP後に体重が増えやすくなることに注意が必要です。本研究は、CPAP後にエネルギーが過剰となるメカニズムを明らかにし、食事などの生活習慣指導の併用が体重の制御に重要であることを明確に示しました」とコメントしている。
なお、この内容は「American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine」に掲載された。論文タイトルは、「Changes in Energy Metabolism After Continuous Positive Airway Pressure for Obstructive Sleep Apnea」。
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