1対1のスポーツで攻防を制する仕組みを明らかに―名大・藤井慶輔氏ら

2015年11月8日 14:34

小

中

大

印刷

 名古屋大学の藤井慶輔博士らのグループは、対人スポーツにみられる二者間の攻防を制するには、「自分は居着かず(※)、相手が居着いた瞬間を狙う」ことが重要であることを、モデルシミュレーションを用いて明らかにした。

※居着き:認知と運動が協調している時には動きたい時にすぐに動けるが、この協調が破られると、動きたい時に動きが遅れてしまう。この動きが遅れる状態のことを指す武道の用語。

 球技や格闘技などの対人スポーツにおいては、相手の動きを予測しつつ自分の動きを正確に実行し続ける必要がある。しかし、「どのように動けば攻防を制することができるか」を研究する枠組みは、これまで明らかにされていなかった。

 今回の研究では、まず二者の認知・運動要素が二者間で相互作用するモデルを構築し、個人の認知・運動能力の差を考慮せずに、攻防の本質を考えられるようにした。

 そして、バスケットボールの1対1練習での二者の動きを分析したところ、防御者が「移動しやすい」時は、思った通りに動けるため防御成功の確率が高く、逆に移動しにくい時は防御失敗の確率が高くなることが分かった。このことは、自分が移動しやすいこと、つまり自分の認知に対して運動の遅 れがなくなることが攻防に有利になることを示している。

 さらに、攻撃者が防御者の移動しやすさを観察した条件は、観察しなかった条件よりも、攻撃成功の確率が高くなることが明らかになった。このことは、相手の状態を見て「相手が移動しにくい時を狙うこと」が勝つために重要であることを示している。

 今回の研究内容は「Scientific Reports」に掲載された。論文タイトルは、「Mutual and asynchrounous anticipation and locally coordinativedynamics」。