中高年のメンタルヘルスには、趣味や人と一緒の運動が有効―筑波大・武田文氏ら

2015年10月25日 23:01

印刷

中年者のメンタルヘルスに有効な余暇活動・社会活動を示す図。○を付した項目を実施している人は、実施していない人に比べて、5 年後のメンタルヘルスが不良であるリスクが小さいといえる。(筑波大学の発表資料より)

中年者のメンタルヘルスに有効な余暇活動・社会活動を示す図。○を付した項目を実施している人は、実施していない人に比べて、5 年後のメンタルヘルスが不良であるリスクが小さいといえる。(筑波大学の発表資料より)[写真拡大]

 筑波大学の武田文教授らの研究グループは、中年者のメンタルヘルスに対して、趣味・教養や運動・スポーツの余暇活動が有効であることを明らかにした。

 日常生活に支障なく過ごすことのできる健康寿命は、平均寿命より10年以上短く、健康寿命の延伸にむけた効果的な健康づくり対策が喫緊の課題となっている。これまで、メンタルヘルスに対しては、趣味・教養や運動・スポーツ、地域活動といった余暇活動や社会活動が効果を持つことが知られていたが、中年者のメンタルヘルスに及ぼす効果について、活動内容と実施方法まで含めて明らかにした研究はなかった。

 今回の研究では、厚生労働省が全国で実施した「中高年者縦断調査」第1回(2005年:調査時点で50~59歳)と第6回 (2010年)の両調査に回答した2万6,220名のうち、メンタルヘルスの回答に欠損のある人、第1回調査時にメンタルヘルス不良の人、日常生活活動に制限のある人(歩行、衣服の着脱、排せつなどの困難)を除いた1万6,642名のデータを用いて、余暇活動や社会活動が5年後のメンタルヘルスに及ぼす影響を解析した。

 その結果、男女とも、メンタルヘルスに対して有意な関連があったのは、趣味・教養、運動・スポーツであることがわかった。一方で、地域行事、子育て支援・教育・文化、高齢者支援といった社会活動は、男女とも、5年後のメンタルヘルスとの関係は見られなかった。さらに、運動・スポーツは他者と実施する場合のみ、5年後のメンタルヘルスと有意な関連が見られることが明らかになった。

 研究グループは、中年者が職場や地域で仲間と一緒に手軽に運動・スポーツを実施できるプログラムの開発や環境整備の進展が望まれるとしている。

 なお、この内容は「PLOS ONE」に掲載された。論文タイトルは、「How possibly do leisure and social activities impact mental health of middle-aged adults in Japan? : An evidence from a national longitudinal survey」(余暇活動や社会活動はいかに日本の中年者のメンタルヘルスに影響を及ぼすか?―全国縦断調査によるエビデンス)。

関連記事