ウィルグループ Research Memo(3):テレマーケティング会社を中心に業務請負の拡大が着実に進展

2015年7月9日 16:53

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記事提供元:フィスコ


*16:53JST ウィルグループ Research Memo(3):テレマーケティング会社を中心に業務請負の拡大が着実に進展
■2015年3月期連結決算

(2)セグメント別業績

a)セールスアウトソーシング事業
セールスアウトソーシング事業の売上高は前期比16.8%増の13,053百万円となった。第3四半期の年末商戦、第4四半期の年度末商戦での受注が好調だった。注目すべき点として業務請負の受注が33.7%増加したことが挙げられる。テレマーケティング会社を中心に拡大した。成長戦略の項目でも説明するが、業務請負は派遣よりも利益率が高いため、ウィルグループ<6089>では業務請負の拡大を図っている。業績はこの戦略が着実に進展していることを示していると言えよう。

セグメント利益は前期比40.3%増の697百万円と大幅に増加した。利益率の高い業務請負の拡大が人員の増加によるコストアップを吸収した。

b)コールセンターアウトソーシング事業
コールセンターアウトソーシング事業の売上高は同17.0%増の8,159百万円となった。新規顧客の開拓に注力し、人材派遣の受注を増やした。さらに、全国規模の大口顧客との取引がスタートした点も挙げられる。

セグメント利益は同0.9%減の292百万円となった。短期受注が増加した結果、人材採用の回数や人数が増え、採用費用や人件費が増加し、利益率が低下した。ただ、同社によれば、新規顧客の獲得に重点を置いた結果であり、想定内としている。新規顧客の場合、最初は短期発注からというケースが多く、信頼関係が深まれば、長期契約に移行すると考えられるためである。実際、第4四半期では短期から長期へ切り替える顧客が増え、利益率も回復傾向にあるとしている。

c)ファクトリーアウトソーシング事業
ファクトリーアウトソーシング事業の売上高は同19.9%増の7,537百万円となった。順調な受注の増加を受けて引き合いが増えたため、同分野での人材派遣が特に拡大した。同分野での売上高は前期比27.3%の大幅な増加となった。

セグメント利益は同39.5%増の206百万円となった。売上高の増加が人員増に伴うコストアップを吸収した。

d)その他の事業
「その他の事業」は主要3セグメント以外の事業であるが、今後の主力事業入りと、同社の成長のけん引役になることが期待されている。国内新規事業と海外事業で構成されており、国内新規事業は、オフィスなどへの人材派遣、スポーツ業界への人材紹介、外国語指導助手(ALT)派遣、障がい者紹介、介護職派遣、幼児・児童向け語学学校の運営、IT技術者派遣、インターネットやモバイル・スマートフォン、ゲーム業界専門の人材紹介ビジネスであるネット人材紹介がある。海外事業は、ASEAN地域を対象にした人材紹介や人材派遣業務である。後の成長戦略で説明するが、2015年3月期は新たにシェアハウス事業や3D領域特化型クラウドソーシングサービスを展開する3Dクラウド事業などの新規事業も立ち上がった。この「その他の事業」は同62.3%増の3,835百万円と大きな伸びを実現した。

けん引役となったのが、介護職派遣、インターネット人材紹介、海外事業である。いずれも人材不足が課題になっている分野であり、特に人材確保が困難な介護職派遣は急成長し、その他の事業の売上高の14%を占めるほどになった。また、海外事業は、8月に現地子会社を通じてシンガポールの人材紹介・派遣会社である「ScientecConsulting Pte. Ltd.(STC)」の株式の60%を取得し、連結対象となったことが4億円程度の売上高増加要因となった。一方、オフィスなどへの人材派遣は、企業業績の回復に伴って需要が増加し、安定した売上げを確保した。一方、障がい者紹介は事業が縮小した。

セグメント損益は325百万円の損失(前期は150百万円の損失)となった。オフィス等への人材派遣とインターネット人材紹介が利益貢献したが、介護職派遣事業への先行投資や、海外子会社買収に伴うのれん代が赤字幅を広げた。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)《SF》

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