コニシ Research Memo(8):グループ全体での事業拡大などを盛り込む戦略マップ

2015年7月9日 16:11

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記事提供元:フィスコ


*16:11JST コニシ Research Memo(8):グループ全体での事業拡大などを盛り込む戦略マップ

■中期経営計画

(3)「中期経営計画2018」の戦略マップと重点施策

計画を遂行するための戦略ロードマップでは、主な戦略として「コア事業での販売拡大」、「事業拡大による成長戦略」、「コニシグループ全体での事業拡大」の3つを掲げている。

具体的には以下のような重点施策を実行していく計画だ。

○インフラ市場への更なる深耕による売上拡大
今後も道路、鉄道、トンネル、橋梁などの老朽化対策や、2020年東京オリンピック開催に向けてインフラの改修・補修工事が加速することが予想される。このような環境を背景に、補修・補強、耐震化向け材料や工法の販売を加速させる。さらに工事請負業(土木建設工事業)の拡大も視野に入れて営業活動を展開していく。

○化成品事業の構造改革
化成品事業は、売上高は大きいが利益率が低く利益貢献の少ない部門であった。コニシ<4956>発祥の事業でもあることから、今まではこの点をあまり重要視してこなかった。しかし新しい中期経営計画では、化成品事業でも利益を高めるための抜本的な構造改革を行う計画だ。

具体的には、既存商品や既存顧客に甘んじることなく新商材、新規顧客の開拓を積極的に行う。さらに商品の付加価値を高めるために、加工業への進出やM&Aも視野に入れる。また「低マージン」を常態とする商社的体質を改善するために、メーカー部門との人事交流(異動)を積極的に進め、組織を活性化させる。

○コニシグループ全体での事業拡大
同社グループは、今まではどちらかと言えばコニシ本体と関係会社がそれぞれに事業を進め、お互いの連携がやや薄かった。しかし今後は、子会社・関連会社との連携を密にしてグループ全体で事業を拡大していく計画だ。

まず昨年買収した矢沢化学工業との連携を強め、室内壁紙用接着剤を中心とした内装インテリア業界、リフォーム業界へ新規参入し市場の拡大を目指す。現在の矢沢化学工業の主たる営業基盤は関東圏だが、今後コニシグループの一員として全国展開することで、さらなる業容拡大、相乗効果が期待出来る。

またM&A戦略も強化する。相乗効果が高いと判断される企業への積極的なM&Aを実施していくが、以前のように案件を紹介されるのを待っている「待ち」の姿勢ではなく、今後は積極的に候補を探しにいく「攻め」の姿勢で臨む方針だ。さらに、既に売上高が10,000百万円を超えたその他セグメントにおいて、特に道路、鉄道、トンネル、橋梁等のインフラ整備を中心として需要拡大が見込まれる工事請負事業を、ボンド、化成品に次ぐ第三のセグメントとなるようなレベルまで拡大させる計画だ。

この結果、「中期経営計画2018」が終了する2018年3月期には、コニシ本体の売上高が96,000百万円(2015年3月期比16.8%)であるのに対し、関係会社売上高は40,000百万円(同19.2%増)を計画しており、関係会社の伸び率のほうが高くなる見込みだ。

○中国・東南アジア地域を中心に事業拡大
海外展開、特に中国・東南アジアでの事業拡大も今回の中期経営計画では重要施策だ。まず中国においては、自動車業界向けに化成品の供給拡大を図る一方で、ボンド事業では新規品目(エポキシ系接着剤、汎用品、シーリング材等)の製造によって収益の拡大を計画している。ベトナムでは現地メーカーへの製品供給を拡大する計画で、インドでは工場の拡張及び新規設備ラインの増設を予定している。

この施策により、2015年3月期の海外売上高比率5.48%(売上高6,300百万円)を、早期に10.0%まで引き上げる計画だ。

○強い生産・物流体制の活用
今回の中期経営計画では、事業の拡大による利益増だけでなく、コスト面の見直しによる利益増も目指している。まず前中期経営計画で投資を行った生産設備(主に栃木工場)が本格稼動することから、これによって一段と高効率の生産を進める。その他の生産拠点においても見直しと集約化を進め、生産部門の効率を向上させる計画だ。

また物流においても、栃木・滋賀物流センターへの投資が一巡し物流体制はかなり充実したことから、これらを子会社のサンライズMSI、矢沢化学工業などグループ全体で活用しコストダウン、利益創出を図っていく予定だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)《RT》

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