三栄コーポレーション Research Memo(4):円安が進む逆風下でも利益を増やす事業構造

2015年7月1日 16:54

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記事提供元:フィスコ


*16:54JST 三栄コーポレーション Research Memo(4):円安が進む逆風下でも利益を増やす事業構造
■会社概要

(3)事業環境とビジネスモデル

一般に輸出入に関わる商社の業績は為替相場の影響を避けられない。同社の過去数年間(2006年3月期−2014年3月期)においても円高局面で利益増加、円安局面で利益減少の傾向であった。これは、同社が輸入商品を国内販売する事業の比率が高いためである。一方、2015年3月期は、円安が進行するなか、国内事業の苦戦を海外事業の伸長でカバーする形で増益を確保した。海外取引の強化とともに、円安に左右されない事業構造が更に強まると推察する。

三栄コーポレーション<8119>のビジネスモデルは、OEM調達ビジネス(売上げの76%、以下OEM事業)とブランド販売ビジネス(売上げの24%、以下ブランド事業)に色分けできる。OEM事業においては、1950年代から進出してきたアジアの製造ネットワーク(20ヶ所、うち中国12ヶ所)が強みとなっている。最大の顧客である良品計画向けの売上げは150億34百万円(2015年3月期)であった。ブランド事業においては、欧州から本質にこだわった秀逸なブランドを発掘するところから始まる。商社でありながら、小売(直営店とEコマース)事業や自社運営のアフターサービスも行っている点に強みがある。

最大のブランドはビルケンシュトック(売上高約52億円、2014年12月期)であり、子会社である(株)ビルケンシュトックジャパンが運営する。ドイツで240年以上伝統のある機能美に優れたサンダル・コンフォートシューズであり、1万円前後の価格帯にもかかわらず熱いファン層に支持されている。直営の50店舗とEコマースで販売され、長く使う顧客が多い商品だけに自社運営のアフターサービスも充実している。キプリング(バッグ)は1987年にベルギーで誕生したナイロンバッグのブランドであり、キプリングモンキー(猿のマスコット)とともに遊び心のあるカジュアルブランドとして世界的に有名である。同社では直営13店舗(表参道、銀座など、アウトレット含む)を展開する。ビタントニオ(調理家電)は同社のオリジナルブランドであり、中国の自社工場等で製造する。過去からワッフルメーカーで有名であり、現在は1杯用ブレンダー「マイボトルブレンダー」がヒットしている。このように同社のブランド事業は、マーケティング、小売りに限らず、製造面でも自ら携わり、またアフターサービス等で顧客への付加価値を高めている点が特徴だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)《HN》

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