アデランス Research Memo(2):早くから海外市場に進出、植毛最大手とウィッグ最大手を子会社化

2015年6月1日 17:59

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記事提供元:フィスコ


*17:59JST アデランス Research Memo(2):早くから海外市場に進出、植毛最大手とウィッグ最大手を子会社化
■業績の推移

(1)事業の概要

アデランス<8170>は1968年に創業されたかつら専業メーカーである。当初は男性用オーダーメイドかつらからスタートしたが、その後カネカ<4118>の子会社であったフォンテーヌ(株)を買収して女性用かつらにも本格進出を果たしている。また、早くから海外市場に進出し、北米・欧州で存在感を示している。

かつらは対象顧客として男女に分けられ、製品別にはオーダーメイドとレディメイド(既製品)とに分けられる。同社はオーダーメイドかつらの事業を男女ともに「アデランス」ブランドで展開している。オーダーメイドの平均的な価格は約50万円前後となっている。これを直営サロンにおいて売切りもしくは年会費制(自動車のリースのような形式)で販売している。直営サロンではほかにも育毛サービス、増毛商品やヘアケア製品の販売、理・美容サービスなどを行っている。

女性向けに展開しているレディメイドかつらは全国主要百貨店内や直営店に「フォンテーヌ」ブランドで出店しているほか、近年では販路をGMSなどにも拡大しつつある。「フォンテーヌ」という百貨店や直営店での高級イメージが確立したブランドを保持するため、販路によってGMSやスーパーで展開する「スワニーbyフォンテーヌ」や、40代~50代女性をターゲットとした「ルネ オブ パリスbyフォンテーヌ」といったブランドを展開している。

同社の強みは海外事業を有している点で、これが競合他社との差別化要因である。米国では植毛(医療行為であってかつらや増毛商品とは異なる)の最大手(北米シェア10%と推定)のボズレー社を擁している。また、ウィッグ(かつら)の分野では北米最大手のヘアクラブ社を2013年に買収した。ヘアクラブ社は男性用オーダーメイドかつらが中心で男女別売上高構成比は8対2という状況だ。女性向け売上高比率の上昇過程に、成長エンジンの1つが潜んでいると弊社ではみている。北米ではほかにもレディメイドかつらを手掛けるAHG社を擁している。同社は欧州でも認知度を高めているものの、北米とは事情が異なり国別に分断化された市場となっているため、欧州主要国それぞれに有力かつらメーカーを所有し、個々の市場に対応している。

同社の事業構造は労働集約型であり、人件費が原価の多くを占めることから原価圧縮のためにすべての生産を人件費の低い海外で行っている。現在はフィリピンとタイの工場が主力だが、今後ラオス新工場が順調に立ち上がってくれば、生産能力及び製造コスト圧縮の面で一段の競争力強化が期待できる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)《FA》

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