MITの四脚走行ロボット、障害物を飛び越えながら走り続けることが可能に

2015年5月31日 14:07

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記事提供元:スラド

米マサチューセッツ工科大学(MIT)が開発しているチーター型の四脚走行ロボット「MIT Cheetah 2」に、障害物を飛び越えながら走り続ける能力が追加された(MIT Newsの記事The Registerの記事)。

障害物を飛び越える能力は、新たに搭載されたレーザーによる距離測定(LIDAR)デバイスと3つのアルゴリズムによって実現されているという。まず、1つめのアルゴリズムでLIDARのデータから障害物を検出し、距離と大きさを予測する。2つめのアルゴリズムでは安全に障害物を越えられるジャンプ位置を予測し、歩幅や速度を調整する。踏み切り位置に到達すると、3つめのアルゴリズムが、障害物の高さと現在の走行速度からジャンプの軌道を決定するとのこと。

ランニングマシンを使用したテストでは障害物を研究者がベルト上に置いていくため、1メートル程度の距離を進む間に障害物を検出してジャンプを開始することになるが、テストを繰り返す間に70%程度の障害物を飛び越えることに成功。障害物の配置された室内でのテストでは、より簡単に障害物を検出できるため、成功率は90%程度になったという。研究チームでは現在、草の生えた地面のような柔らかい場所で障害物を飛び越える実験を行っているとのことだ。

MIT Cheetah 2は米国防高等研究計画局(DARPA)の支援を受けて開発されており、6月に開催されるDARPA Robotics Challengeでこの機能のデモを行う予定となっている。 スラドのコメントを読む | テクノロジー | ロボット

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