BEENOS Research Memo(5):2015年9月通期は直近予想をさらに上方修正

2015年5月1日 17:56

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記事提供元:フィスコ


*17:56JST BEENOS Research Memo(5):2015年9月通期は直近予想をさらに上方修正
■業績動向

(3)2015年9月期の見通し

BEENOS<3328>の2015年9月期の連結業績は売上高が前期比38.1%増の17,400百万円、営業利益が800百万円、経常利益が770百万円、当期純利益が550百万円といずれも直近2月に上方修正した数値を再上方修正している。

修正要因は、インキュベーション事業において4月に海外の出資先企業の株式売却を実施したことに伴い、売却額3.7百万ドル(約431百万円)、売却益3.4百万ドル(約396百万円)を計上することとなったため。ただ、半期ベースでみると今下期は利益水準が上期比で落ち込む計画となる。この要因としては、クロスボーダー部門やバリューサイクル部門において、圧倒的No1のボジションを確立するためのプロモーション費用を上期比で400百万円以上上積みすること、また、インキュベーション事業において収益化前新規事業の立上げコスト60百万円を新たに見込んだこと、営業投資有価証券のうち、一部の銘柄において約80百万円程度の評価引当金を織り込んでいること、などが挙げられる。

前述したように、Eコマース事業は3部門とも想定以上に好調に推移しており、流通総額ベースでは期初計画の35,000百万円から36,000百万円に上方修正するなど、下期も高成長が持続するという見方に変わりない。また、Eコマース事業のプロモーション費用増については一時的な要因でもあり、来期以降はこうした費用も減少することが見込まれるため、収益拡大ペースは再び加速化していくことが予想される。事業セグメント別の見通しは以下のとおり。

○クロスボーダー部門
クロスボーダー部門の流通額は前期比65%増の21,000百万円、売上高は同76%増の3,200百万円を見込む。このうち、海外転送・代理購入事業は引き続き年率2倍増ペースでの拡大を見込み、国内で圧倒的No.1の地位を確立していく方針だ。下期の施策としては、配送手段の一段の多様化を進めていく。また、利用者が各国通貨で決済できるサービスも開始する。こうしたサービス内容の向上を図ることで、さらに流通額の拡大が図れるものとみている。

また、年々増え続ける訪日外国人をターゲットに、ECを活用した新たなインバウンド施策を老舗ディスカウントストアの多慶屋と共同で2015年3月より開始している。具体的には、「Buyee」のサイト内に多慶屋専用ページ「多慶屋店」を開設し、多慶屋に来店した訪日外国時に案内チラシを配布することで、帰国後に同サイトを通じてリピート購入につなげていくというもの。多慶屋での訪日外国人の来店客数は年間約43万人と、tensoの会員数に匹敵する客数に上るだけに、第3四半期以降の流通額増加に寄与するものとして注目される。

一方、グローバルショッピング事業では、2015年3月より「sekaimon」サイトの商品表示価格を従来のドル、円併記表示から、円建て表示に統一したほか、価格表示も手数料や送料内訳、保険料などの細目表示から、商品代金+送料といったシンプルな表示法に変更することでライトユーザー層の獲得を進めていく。また、下期の施策としてはプロモーション活動を強化していくほか、米国の倉庫業務の内製化を進めることでサービス内容の向上とともにコスト削減を進め、黒字化を目指していく方針だ。

○バリューサイクル部門
バリューサイクル部門の売上高は前期比41%増の9,000百万円を見込んでいる。下期の施策としては、テレビCMを積極投下し、高単価の商品も含めて買取りを一段と強化していく。また、海外販路ではeBayのグローバルオークションサイトへの本格出品を4月下旬より開始している。従来も手動での出品を行っていたが手間がかかるため僅少な規模にとどまっていた。今回は出品オペレーションを自動化したことで、主品数を10倍に増やすことが可能となり、円安進行もあって海外における日本の中古品需要の取り込みを図っていく。海外販売が拡大することにより季節性に左右されにくくなり、収益拡大ペースの加速化が見込まれる。

また、2015年2月に伊藤忠商事と資本業務提携を結んだが、今回の資本参加によって伊藤忠商事の持つグローバルネットワークを活用した海外展開(海外での販売先事業者開拓)や既存ビジネスプラットフォームやノウハウを活用した新規ビジネスの開発を目指していくことを目的としたもので、今後の取り組みが注目される。

○リテール・ライセンス部門
リテール・ライセンス部門の流通額は前期比24%増の6,000百万円、売上高は前期比微減の4,200百万円を見込む。このうちネットショッピング事業は、フィーチャーフォン向けサービスを終了したことで、売上高こそ前期比で減収となるものの、利益ベースでは黒字定着が続く見通し。一方、商品プロデュース・ライセンス事業に関しては、引き続き人気アーティスト関連商品の売上高が堅調に推移するほか、マスターライセンスを持つ人気イラスト「ECONECO」の商品開発を強化し、海外販売も進めていく予定となっている。

○インキュベーション事業
インキュベーション事業に関しては、既に発表した海外の企業の売却案件のほかは計画に織り込んでおらず、売上高で1,000百万円、営業利益で570百万円を見込んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《FA》

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