歯周病は、関節リウマチの発症に関わっている可能性―京大

2015年4月24日 16:40

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未治療の関節痛患者を、歯周病の評価(歯茎の腫れによる歯周病の有無(a)、歯茎のやせによる歯周病の重症度分類(b)、歯周プラークにおけるポルフィロモナス菌の有無(c))により分類し、それらの患者が経過観察中に抗リウマチ治療(メトトレキサート)を開始されることに対する相対リスクを示す(京都大学の発表資料より)

未治療の関節痛患者を、歯周病の評価(歯茎の腫れによる歯周病の有無(a)、歯茎のやせによる歯周病の重症度分類(b)、歯周プラークにおけるポルフィロモナス菌の有無(c))により分類し、それらの患者が経過観察中に抗リウマチ治療(メトトレキサート)を開始されることに対する相対リスクを示す(京都大学の発表資料より)[写真拡大]

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 京都大学の橋本求特定助教・別所和久教授を中心とする共同研究グループは、約1万人の健常人を対象とした疫学調査、および京大病院リウマチセンターを未治療・未診断で受診した72名の関節痛患者の追跡調査によって、歯周病の罹患が関節リウマチの発症に影響を与える可能性があることを明らかにした。

 歯周病は、30歳以上の成人の約80%が罹患している慢性疾患で、口腔内のみならず、虚血性心疾患や脳卒中など全身の様々な疾患に影響を与えていることが知られている。そして、近年は特に関節リウマチとの関係が注目されている。

 今回の研究では、滋賀県長浜市在住の約1万人の健常人を対象とした疫学調査のデータを分析した。その結果、健常人の約1.7%は関節リウマチを発症していないにもかかわらず、関節リウマチ患者の約8割に見られる抗CCP抗体の産生があり、この抗体の有無や力価と歯周病の臨床評価の指数とが有意に相関していることが分かった。

 さらに、京大病院リウマチセンターを未治療、未診断で受診した72名の関節痛患者の歯周病状態を評価したところ、初診時に歯周病をもつ関節痛患者は、歯周病を持たない患者と比較して、その後関節リウマチと診断されて抗リウマチ治療を開始するリスクが約2.7倍高くなることを明らかにした。

 研究メンバーは、「歯周病と関節リウマチの関連については、たくさんの既報がありますが、今回の研究は、歯周病が関節リウマチの発症に関与する可能性をより強く示すものといえます。(中略)歯周病が関節リウマチの発症に影響を及ぼすメカニズムが抗CCP抗体の誘導だけなのか、あるいはポルフィロモナス菌が特に関係しているのか等の点については、今後さらなる研究が必要と考えられます」とコメントしている。

 今回の研究成果は「Journal of Autoimmunity」電子版と「PLOS ONE」電子版に掲載された。

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