日本ガイシ、新日鐵住金、SUMCOなど/本日の注目個別銘柄

2015年3月4日 16:30

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記事提供元:フィスコ


<9983> ファーストリテ 46165 +125もみ合い。前日に2月の月次動向を発表している。既存店売上高は前年同月比7.7%増、7ヶ月連続でのプラス成長となっている。今期の既存店前提3.5%増に対して、ここまでは8.4%増での推移となる格好に。ただ、増収率は前月8.9%増との比較で低下する形となっている。他の衣料品各社では、前月のマイナスからプラスに転換する銘柄も多くなっており、相対的に見ると、ポジティブなインパクトは限定的な状況ではある。

<5333> 日本ガイシ 2403 +72買い先行。SMBC日興証券が投資判断を「2」から「1」に格上げ、評価の高まりにつながっているようだ。中国の大気汚染の現状からすれば、フィルターの出荷が増加に転じるのは時間の問題、足元の株価調整は投資機会と捉えているもよう。中国の全国人民代表大会で環境問題が取り上げられれば、同社のフィルター事業に焦点が当たる可能性は高いとしているようだ。

<5401> 新日鐵住金 321.3 +5.1しっかり。前日に中期経営計画が発表されている、想定外に早いタイミングでの発表といった見方が強いようだ。20%から20-30%のレンジへの配当性向の引き上げ、18.3期ROE10%以上を目標など株主重視の姿勢が示されているほか、小倉第2高炉休止による競争力強化策なども公表されている。総じてポジティブに捉える動きが優勢となっている。

<4188> 三菱ケミ 677.1 +8.4しっかり。JPモルガン(JPM)では投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウェイト」に格上げしている。目標株価も610円から810円に引き上げ。規模の拡大期を終えて、効率性追求に舵を切ったことから、今後は利益成長が加速すると考えているもよう。11日には事業説明会が開催予定、今後の方向性が示されれば株式市場における期待感が高まることになると指摘している。

<9843> ニトリHD 8010 -100反落。前2月期営業利益は前期比5%増の660億円前後となり、従来予想の650億円を上回り、28期連続で過去最高益を更新したもようと伝わっている。消費増税や円安のマイナス影響を十分に吸収する格好となった。ただ、市場コンセンサスの685億円レベルはやや下回る格好になっている。2月の株価は大きく上昇したこともあって、短期的な利食い売りのきっかけにもつながっている。

<3436> SUMCO 2125 -310下落率トップ。公募増資で最大600億円を調達すると前日に発表、目先の需給懸念などが優勢となる展開のようだ。具体的な金額や時期などは未定のもよう。調達資金のうち300億円で優先株の買取を予定、残りは設備投資などに使用する計画。優先株買取による潜在的な希薄化は回避することになり、増資による希薄化の影響は限定的とみられるが、大株主の株式売出発表なども併せて、需給面での警戒感は意識される状況のようだ。

<2685> アダストリア 3085 +173買い優勢。前日に月次動向を発表、2月の既存店売上高は前年同月比8.6%増となり、3ヶ月ぶりのプラス転換になっている。前月は同7.4%の減少であった。春物商品が順調なスタートになっているようだ。衣料品各社は総じて好調な月次動向であるが、増収率は13年6月以来の大きさとなっており、インパクトを強める形にも。

<9031> 西日本鉄道 562 +25しっかり。前日に第3四半期の決算を発表している。従業員による不正行為に関して、外部調査委員会を設置して調査を行ってきたことで、四半期報告書の提出が遅れていた。第3四半期累計営業利益は130億円で前年同期比13%減益、通期予想は157億円から166億円に上方修正している。不動産分譲事業での粗利の増加、運輸業での動力費の減少などが業績上振れの背景に。報告書提出に伴う安心感とともに、好業績を評価する流れも強まる形へ。

<8267> イオン 1257 -17さえない。みずほ証券では投資判断を「買い」から「中立」に格下げしている。地域密着の経営体制への移行や首都圏スーパーマーケット連合、ドラッグストア連合などの構造改革効果に注目してきたが、依然として厳しい消費環境のなか、業績回復の遅れが見込まれるために利益予想を下方修正としている。現行株価水準も目標株価を概ねクリアしているとの見方。《FA》

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