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木徳神糧 Research Memo(4):14/12月期は期中の予想修正をさらに上回る利益確保
*18:37JST 木徳神糧 Research Memo(4):14/12月期は期中の予想修正をさらに上回る利益確保
■決算動向
(1)2014年12月期実績
(損益状況)
木徳神糧<2700>の2014年12月期決算は、売上高が106,099百万円(前期比8.2%減)、営業利益1,131百万円(前期は赤字)、経常利益1,089百万円(同)、当期純利益683百万円(同)となった。売上高は期初予想を下回る水準であったが、営業利益以下は期中の修正予想をさらに大幅に上回った。
また子会社株式の追加取得による負ののれん発生益161百万円を特別利益に計上した。その一方で、惣菜事業からの撤退、鶏肉事業の縮小(詳細後述)に伴う各種設備の廃棄損や事業撤退損(パートへの割増退職金含む)などの特別損失を約120百万円計上した。
セグメント別売上高は、米穀事業が84,860百万円(前期比9.4%減)、食品事業が8,571百万円(同4.1%減)、飼料事業が7,728百万円(同0.2%減)、鶏卵事業が4,939百万円(同4.7%減)となった。
またセグメント別営業利益(全社分消去前)では、主力の米穀事業が1,676百万円(前期は損失)となり、最大の増益要因であった。飼料事業は258百万円(同13.1%減)、鶏卵事業は73百万円(同23.6%減)となり、前期比で減益ではあったが黒字を計上した。一方で、食品事業は米加工品などは堅調であったが、鶏肉事業が不振であったことからセグメントでは依然として71百万円の損失(前期は87百万円の損失)となった。
主力の米穀事業が回復した最大の要因は、平成25年産米の仕入れ価格が大きく低下したこと。図に見られるように、その前年の平成24年産米はJA(全農)の不合理な政策等によって異常に高い価格で推移した。この結果、多くの卸業者が逆ザヤに苦しんだが、同社も例外ではなく赤字決算を余儀なくされた。しかしこのような状況が長続きするはずはなく、平成25年産米の価格は平成24年産米の異常な水準から大幅に低下し、同社の採算も大きく改善した。加えて同社自身の努力による販売・製造・仕入れの連携強化や販売規模の拡大、在庫管理の最適化、製販コスト見直しなどのコスト削減策が奏功し大幅増益となった。さらに米穀事業で特筆すべきは、海外事業(ベトナムでのジャポニカ米の事業)も黒字を拡大したことで、海外事業は今後も増益基調が続く見込みだ。
2014年12月期の米穀の総販売数量は378千トンとなり前期の383千トンから微減となった。内訳は、国内産精米190千トン(前期比2千トン増)、外国産精米(MA米含む)88千トン(同0.2千トン増)、玄米99千トン(同7千トン減)となっており、玄米の減少が全体の販売数量を下げたが国内産米や外国産米販売は前期比でわずかではあるが増加した。玄米が減少した要因は、一般家庭での米消費が減少しているためで、同社でも生協やGMS経由で販売される一般家庭向けの精米販売は低迷した。一方でコンビニエンスストアや外食チェーン向け、いわゆる中食・外食向けの販売が増加したことで全体の精米販売量は微増となった。
飼料事業では、円安の影響で畜産農家の支出が抑制されたことなどから売上高が伸び悩み、利益も減少した。鶏卵事業では、この部門に含まれる惣菜事業から徹底し岩槻工場を閉鎖した。これに伴い売上高が減少、その結果、わずかではあるが前期比で減益となった。
一方で食品事業は、親会社が扱っている米加工食品等は比較的堅調であったが、子会社の内外食品(株)が行っている鶏肉事業が大きく足を引っ張り、部門としては赤字を計上した。この鶏肉事業については以前から大きな経営課題となっており、経営陣は「鶏肉事業に対しては、事業売却・撤退も含めて近い将来に何らかの経営判断を下す必要がある」と述べていた。その第1弾として、拠点の1つである船橋本社・工場を閉鎖し、事業を茨城工場に集約して事業を縮小することを決定し、昨年6月にその内容を内外食品の役員及び従業員に通達している。この事業縮小により従業員の一部が削減されるため退職給与等の費用が発生するが、これは既に予想に織り込み済みである。
この内外食品の合理化策は2015年6月までに完了予定であり、今期(2015年12月期)は鶏肉事業の黒字化、最低でも収支トントンを目指している。しかし再び赤字が計上されるようであれば、「事業売却・整理も止むを得ない」と経営陣は述べている。事業撤退となるとさらに一時的なコスト(特別損失)が発生する可能性はあるが、長年にわたって赤字を垂れ流してきた事業であり、長期的な視点からは同事業の整理・精算は同社にとってプラス要因となるだろう。
(財政状況)
2014年12月期の財政状況は、売上高の減少に伴い売掛債権が1,407百万円減少、前期末に増加した在庫が順調に販売されたことから商品及び製品が449百万円減少、仕掛品・原材料・貯蔵品も559百万円減少した。加えて現預金の増加393百万円、前渡金の増加754百万円などから、流動資産は1,504百万円減少した。
固定資産は、有形固定資産の減少252百万円、投資その他資産の増加259百万円(主に投資有価証券)などにより全体で19百万円減少した。その結果、総資産は前期末比1,523百万円減の28,102百万円となった。
負債の部では、買掛債務が485百万円減少、さらに短期借入金が3,212百万円減少、長期借入金等が704百万円増加したことから負債総額は2,012百万円減少し21,343百万円となった。当期純利益の計上等により純資産は488百万円増加し6,758百万円となった。
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況は下表のようであった。営業活動によるキャッシュ・フローは、当期純利益を計上したこと、売上債権、棚卸資産、仕入債務が大幅に減少したことなどから3,612百万円の収入となった。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得などにより544百万円の支出に、財務活動によるキャッシュ・フローは短期借入金の減少などから2,697百万円の支出となった。この結果、総額のキャッシュ・フローは392百万円増加し、期末の現金及び現金同等物残高は2,460百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)《FA》
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