日本オラクル、自然災害情報をリアルタイムに管理する公益業界向け分析製品「Oracle Utilities Analytics」の最新版を発表

2015年2月19日 15:19

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 日本オラクルは18日、公益業界向けの分析製品の最新版「Oracle Utilities Analytics 2.5.1」を同日より提供開始すると発表した。これにより公益企業は、自然災害時における電力供給の停止、復旧やそれによる影響などをリアルタイムに分析して事業継続や顧客満足度向上に役だてることができるという。

 「Oracle Utilities Analytics 2.5.1」は、停電状況を分析する機能である「Oracle Utilities Outage Analytics」を拡充。これにより、過去の停電の実績と履歴により必要な項目が事前に定義された信頼性の高いダッシュボードの提供と複数のシステムに保存されているデータを連携する仕組みであるETL技術が強化された。

 最新版「Oracle Utilities Analytics」のダッシュボードでは、自然災害や大規模停電の際に公益企業が大容量のデータを利用して最新状況を把握することを可能にしている。より大規模なデータをほぼリアルタイムに分析し、災害対応の改善や被災情報の効率的管理を実現。オラクルのデータ統合管理製品「Oracle Data Integrator」と「Oracle GoldenGate」を活用することでETL技術を拡充し、必要なすべてのデータへのアクセスを容易かつ迅速に行い、数分でデータを最新情報に更新することが可能だ。

 停電の発生頻度、停電の起きている範囲の広さ、該当地域におけるサポート要員の数や配置状況などの情報が色分けされて分かりやすく表示され、さらに電力復帰にかかる時間の見積もりを算出することができる。最新版では、これらの災害対応時に必要な情報にアクセスするための流れが大幅に改善され、自然災害管理室のより迅速かつ適正な判断を促す。

 また同製品は、公益企業の法的報告書に求められる信頼性の改善にも役立てることが可能。同製品のもつ停電履歴のダッシュボードを活用して、サービスエリアごとの稼働状況、デバイスの状況やもっとも稼働率の低い設備などを該当エリアから特定し、どの領域で改修が必要かを把握­­­­。

 またこのダッシュボードには、電力網の信頼性を図る、平均停電時間(SAIDI)、平均停電回数(SAIFI)、瞬間平均停電回数(MAIFI)のような指標が事前に設定され、これらの指標を基準にサービスの改善や達成度の判断に役立てることが可能。さらに、法的報告書に合致した形式で報告書を作成することもできる。

 同製品は、停電管理システムにおける分析の負荷を軽減。大規模な自然災害発生時においても、顧客サポート部門やアカウント管理部門の各担当者が、停電管理アプリケーションにログインして立ち往生するような状況に陥ることを回避する機能などもある。(記事:町田光・記事一覧を見る

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