レベルの高いサッカー選手は他選手をよく見ている…筑波大が試合中の目線を調査

2015年1月22日 22:12

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今回の研究で使われた小型軽量眼球運動計測装置(筑波大学の発表資料より)

今回の研究で使われた小型軽量眼球運動計測装置(筑波大学の発表資料より)[写真拡大]

 筑波大学の浅井武教授・夏原隆之大学院生らによる研究グループは、サッカー選手が状況判断を行っている際の眼球運動を計測・分析し、レベルの高い選手は他の選手をよく見ていることを明らかにした。

 サッカー指導書では、状況判断を下すための情報源として、ボール、スペース、味方選手、相手選手などが重要であり、特にスペースを見ることの重要性が指摘されている。しかし、サッカーの状況判断に関するこれまでの研究は、実際のプレー環境と乖離した実験環境で行われたものが多かった。

 今回の研究では、筑波大学サッカー部の選手30名に小型軽量眼球運動計測装置を装着し、状況判断中の眼球運動を分析した。その結果、平均的なレベルの選手はパスを受ける直前もパスを出す直前もスペースを見ているのに対して、レベルの高い選手はパスを受ける直前は相手選手を、パスを出す直前は味方選手を見ていることが分かった。

 今後は、本研究成果が状況判断のトレーニングやコーチングに役立つと期待されている。

 なお、この内容は「体育学研究」第60巻・第1号に掲載される予定となっている。

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