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ヘリオス テクノ Research Memo(5):LCDやタッチパネル向け印刷装置を製造、中古装置ビジネスもスタート
*18:26JST ヘリオス テクノ Research Memo(5):LCDやタッチパネル向け印刷装置を製造、中古装置ビジネスもスタート
■各事業部門の詳細
(2)製造装置事業
製造装置はナカンテクノが手がける事業だ。具体的な製品は印刷装置であるが、向け先がいわゆる印刷業界ではなく、LCD向けやタッチパネル向けとして製造している点に特徴がある。
LCD向けというのは、具体的には、配向印刷装置だ。ナカンテクノは、フレキソ印刷の技術を応用した製造装置を展開している。フレキソ印刷タイプの同装置においては、実質的にヘリオス テクノ ホールディング<6927>のシェアが100%となっている。この分野ではインクジェットプリンタータイプの配向膜印刷装置もあるが、それぞれ一長一短があるなかで、フレキソ印刷はガラスサイズで言うと第8.5世代辺りまでの領域で優位性を持っているとみられる。
タッチパネル向けでは、同社の持つインクジェット、グラビアオフセット印刷、フレキソ印刷の技術を総動員して、タッチパネル製造の様々なプロセスに向けて機器を提供している。同社の装置のアピールポイントは省プロセス、材料(インキ)使用量抑制、環境負荷低減(薬液廃棄処理コスト低減)などであり、これらを突破口に販売を伸ばしている。
製造装置事業では他に、中古の製造装置の移設を事業として手掛けている。具体的には、日本や台湾で発生する中古のLCD製造ライン、スマホ用LCD、スマホ用タッチパネルの設備を同社が買取り、これを主として中国のメーカーに販売する事業だ。同社は機器の販売のみならず移設まで行うため、この事業のリスクは決して低くない。また、中国の事業者を相手とする場合、資金回収でトラブルになることも多い。このような事情もあって、中古設備の対中国販売は、商機が多いと認識されていても実際にそれを行う業者が決して多くない。
同社は2009年のナカンテクノ発足以来、この中古装置移設事業を行ってきた。同社がこの事業に取り組んでいる理由は、ナカンテクノの代表取締役社長である佐藤良久(さとうよしひさ)氏の中国における人的ネットワークがあるためだ。現在では中国国内に多数の取引先を抱え、大型受注も獲得している。
製造装置事業で注意が必要なことは、顧客の設備投資サイクルに影響されて各年の収益変動性が大きくなることに加え、中古装置移設事業で検収のタイミングが期ずれしてしまうリスクがあることだ。さらに言えば、資金回収リスクも相対的に高い事業であるが今まで回収に失敗したことはない。また、中長期的には、技術の進歩に伴って同社も多額の研究開発投資が必要になってくる可能性がある。同社としては最先端分野を狙うのではなく、あくまで同社の現有技術を応用しながらニッチ市場で戦うことを基本的な戦略とするが、他社との資本提携をも含めた戦略的提携も視野に入れている。技術の停滞は一気に市場を失うことになりかねないということに、注意が必要だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)《FA》
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